1006 BOOK

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「おい!こら!待ちやがれ!!」

『無理無理無理!!!』

「ちっ!バラされて―のか!!」


朝から壮絶な鬼ごっこをしてます
相手は兄のロー
朝、今日の予定を発表した瞬間から、私は部屋を飛び出して逃げ出した
だって、今日、健康診断するっていうんだもん!!

いらない!って断っても、医者のいうことは聞けの一点張りで
鬼ごっこが開始された


「room…シャンブルズ」

『ずるい!!』


容赦なく能力を使うローに、ローの腕の中から抗議すれば
逃げるのが悪い!と一括され
救護室に運ばれる
体温計で熱を測り、血圧を計測され
レントゲンを撮られる


「ナギ、月経はいつきた?」

『……来ない』


来てない、遅れてるではなく、来ない
その言葉の真意を、ローは見抜けるだろうか
眉間にしわをよせ、説明しろって目が言ってる
怖い


『海に投げ出されて、体が冷えすぎて、子宮?の働きが弱くなって、なんかいろんな原因がかさなって、来なくなった』


難しく医者に言われたけど、結局生理が来なくて
赤ちゃんが一生産めない、って事だけ認識した


「それ、治せるかもしれねぇが、どうする?」

『その時の医者には、それ以外は健康体って言われたから、誰とも結婚とかする気ないから、別にいいかなって』

「はぁ……(あの野郎もっと痛めつけて殺せばよかった)」

『それより、あの病気、ちゃんと治ってるよね?』

「一応それの確認の健康診断だ。最後に採血して終わる」

『さ、さ、採血はいらない!!もういいよね!!』


ガタリと椅子から立ち上がって、ローから逃げようとしたけど
固定範囲が見えた瞬間左腕がなくなった


「腕だけ置いていけ、確か左腕のほうが良い血管があるはずだからな」


腕を台に縛り付けて、注射の用意をするローに
走ってその部屋を出た


『コラさん!!』


廊下にデカい黒いのを見つけて、突進するように抱き着けば
バランスを崩すでもなく、難なく受け止めてくれる


『コラさん、痛いよぉ…』

「「どうした?腹でも痛いのか?大丈夫か?ローんとこ行くか?」」


メモ用紙に、慌ててペンを走らせてるコラさんに
頭をぶんぶん振る
左腕に走る痛みに、涙が出るけれど
その原因をコラさんは理解していない


「終わったぞ・・・ってコラさん何してんだ?」

「「ナギが痛いってしがみついてきた」」

「ほらナギ終わったぞ、腕くっつっけてやるから」

『もう、ローなんて大っ嫌い』


左腕取って、無理やり注射するなんてひどい!
ローなんて嫌い!
コラさんの黒いモフモフに顔を埋める
その時ローがどんなに焦った顔してたか
知ってるのはコラさんだけ



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