BOOK 死神 他

□手合わせ
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十一番隊が入り浸っている道場
そこに此花はいた
十一番隊の紅一点涙は男性隊士を相手に腕を磨いていた
女だからと言って弱いわけではない
今も小窓からガタイのいい隊士を一人投げ飛ばした


『手加減してるから、そうなんだよ〜〜〜』

「うるせぇ此花」

『またやろうね。さぁ次!!』



今日は十一番隊隊長も、副隊長もいない
その上、二人がいないと知った斑目三席と綾瀬川五席の二人もサボリ
そんな中書類の仕事なんかできるはずもなく
七席の此花が暴れたりない隊士達を引き連れ、道場へと来ていた
だが、女でも此花は第七席
普通の隊士では1本取るのもやっとの事


『さぁ、次!!』


此花は声を張り上げて言うが、名乗りを上げる者はいない
ふぅとため息を吐く此花は、ジロリと隊士を見た


『そこの隊士、外に吹っ飛んだヤツ四番隊に連れて行け』

「はい」

『もぅ後は自由に戦え。私は休む』



とたんやる気をだす隊士
その態度の豹変振りに此花の霊圧が少なからず上がる
だが、たまにはいだろうと端の方に座って他の隊士を見ていた
きゅうに道場の扉がガラリと開いた
入ってきたのはサボっていたはずの斑目三席と綾瀬川五席だった


「此花相手しろやぁ〜〜」

「僕は審判ね」

『え〜〜ヤですよ〜〜。もぅ疲れてるんですから』



此花は見上げながら一角と弓親に反論した
だが、この二人が反論を聞くわけでもなく


「あぁ?なら10分後でいい。その間に休んどけ」

『え〜〜私の意志は尊重してくれないの?』

「しねぇな」


良いながら一角は此花の横へと座る
二人は十一番隊公認の仲だったりする
二人とも気が早いが、なかなかうまくやっている
一角と此花の手合わせも、楽しそうだったりする


「おらやるぞ、立て此花」

『もぅ一回だけだからね』



諦めて床に置いた木刀を持ち一角に手を伸ばす
上目使いで一角を見上げれば、一角は片手1本で此花を立たせる


「甘えてんじゃねぇ」

『でも、起こしてくれたじゃん』


笑いながら距離をとる
一角は自分専用の木刀を手にし、構えた
此花も木刀を構える


「はじめ」


数分、数十分して一角の勝ちで勝負が決まった
此花は「また負けた」と愚痴をこぼした


「お前は女なんだからいいんだよ」

『それは関係ないでしょ?』

「十一番隊だしね」

『十一番隊だしね♪』


三人で笑いあう
久々の一角との手合わせでかなり傷を負った


「此花、腕大丈夫か?」

『ん〜〜大丈夫。一角手加減したしね』

「僕は帰るよ。二人でのみにでも行けば?」



そう言って弓親は帰っていく
弓親の姿が完全に消えた時点でどちらからともなく手を繋ぐ
此花よりも1回りも、2回りもおおきな手
鍛えられた腕
それを手合わせで目の当たりにし、此花は一角が男だという事を再確認させられる


「お前は俺より強くならなくていいから」

『どうして?強くなくちゃどっかで死んじゃうかもしれないんだよ?』

「そんなときは俺が守ってやるよ」

『一角…・』

「惚れてる女一人守れなくてどうすんだよ」


そう笑った


『でも私だって、一角が死にそうになったら助けてあげるよ』

「お前に守れんのか?」

『もちろん』



そう言って、二人同時に近寄って
キスをした


End

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