BOOK 弱虫ペダ2

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新開先輩が荒北先輩を連れて来てくれると言ったので
大人しく待つ
外から、荒北先輩の文句を言う声が聞こえて
待ち切れずにドアを開いけば
びっくりした顔の荒北先輩に、なぜかドヤ顔の新開先輩


『荒北先輩!福ちゃん先輩が可愛いって褒めてくれました!』


そう走り寄って荒北先輩を見上げれば
不機嫌そうな顔の荒北先輩に、強い力で腕を引かれ
部室がどんどん遠ざかる


「なぁんで、俺に一番に見せねぇんだ」

『練習室入るまでに、福ちゃん先輩に許可取らないと』

「福チャンはいいとして、新開のヤローと東堂に先に見られたのは、気に入らネェ」


そっぽを向く荒北先輩の耳は、誰がどう見ても赤くて
チラチラこっちを見る視線が、嬉しくなる


『荒北先輩に、可愛いって言って欲しいです』


そう荒北先輩のジャージの裾を握れば
盛大な舌打ち
これは、あれだ
照れ隠し


「可愛いつーより」


ゆっくり荒北先輩の顔が近付いてきて、耳元に寄る
ぞくりと震えるほど、優しく低い声色


「綺麗だヨ、凪チャン」


ちゅ と軽いリップ音と一緒に荒北先輩が離れて
ただ…と続く


「スカートは短すぎィ。そんな足出さなくてイーヨ」

『他の女の子は、このくらいじゃない?』

「だぁかぁらぁ、凪チャンは他の女子のマネしなくていーよ」


ほら、スカート戻せ
ウエストで巻いたスカートを元の長さに戻す


「化粧したのもいーケド、いつもの凪チャンの方が好き」

『荒北先輩、それ反則』

「シラネ」






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