BOOK 弱ペダ

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体育祭当日
頭にカチューシャのように巻いてる女子のちらほら
ネクタイのようにつけている女子もちらほら

私は荒北先輩とお揃いで、左腕に巻いた
そろそろ1年の100m走の選手が集まる時間かな?
クラスメイトに一言残し、集合場所へ向かう
靴の紐をしっかりと結んで
順番を待っていれば

ゴール地点に荒北先輩が見えた
隣には福ちゃん先輩もいる
あの二人が見ているなら、しっかり走らないと
見苦しくビリなんて嫌だもんね

――パァン――

スタートのピストルが鳴ったと同時に足を動かす
前に人はいない
隣、少しだけ後ろに人がいる気配があるだけ
そのまま!


『っ!!』


ゴール目前
急に感じた背中の違和感に
前に倒れる体
あ、転ぶ
思った時には既に地面に膝がぶつかっていて
倒れ込まなかっただけよしとしよう
そのまま体制を戻して
ゴールを目指したけれど、結6人中3位だった


「1位反則のため、順位繰り上げ」


人が多く見てる中で、しっかりと背中を押せば
そりゃ高校生の体育祭だって反則でしょ


「凪チャン、膝、血出てるね」

『派手にコケましたからね』

「でも速かったよ」


荒北先輩と救護テントに行き
保健の先生に手当をしてもらう
あからさまな悪意のある反則行為に、荒北先輩の機嫌は急降下だ
さて、どうしたものか


『荒北先輩、お昼は一緒に食べれるんですか?』

「福チャンとかもいるけどネ」

『お弁当約束通り作ってきましたよ!からあげいっぱい持ってきました!』


はぁ とため息を吐く荒北先輩は
あからさまなご機嫌取りに、眉をしかめたけど
それでも少しは機嫌が良くなって良かった


「(あのブス、次なんかしやがったらぶっ潰す!!!)」


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