忍たま

□RKRN1
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「おっはよー」
「あ、乱太郎、おはよう」

いつもどおり、元気よく挨拶して教室に入った猪名寺乱太郎は、これまたいつもどおり挨拶を返してくるは組の仲間と他愛ない会話をしながら、自分の席に着いた。
自分と一緒に来た同室のしんべヱも、同じように挨拶を交わして、乱太郎の隣である自分の席に着く。

いつもと同じクラスメイト、いつもと同じ教室。
しかし、何か、違和感。

首をひねって、感じた違和感の正体を考えていた乱太郎は、だがあっさりとその違和感の正体を理解した。
いないのだ。一人。

ひねっていた首を戻し、後ろで同室の二郭伊助と談笑している黒木庄左衛門に声をかけた。

「ねぇ庄ちゃん、きり丸来てなかった?」
「きり丸?ぼくと伊助が一番に教室に来たけど、その時から乱太郎たちが来るまで一度も見てないよ?」
「うん、ぼくも見てない」

庄左衛門と伊助の言葉に、乱太郎はしんべヱと顔を合わせて、「あれぇ?」と同じように首をかしげた。
そばまで来た庄左衛門が再び口を開く。

「乱太郎達と一緒じゃなかったの?」
「うん。食堂を出たあと別れたっきり」
「そうそう。珍しく先に教室行ったのかなって」

新しいバイトでも引き受けて、部屋に戻ったのかもしれない。
まだ始業時間には余裕があるし、そのうち現れるだろうと結論を出して、そのまま庄左衛門たちと話をすることにした。
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