弱虫ペダル

□荒北くん
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「ハァッ!!行かねーよ、遊園地なんて。1人で行って来い!!」

そう言ってたけれど、貴方は絶対に来るって私は知っている。

メールしたのは1時間前。

1人で寂しいよ…寒いよ…ナンパされちゃうよ…って送信。

そろそろ、不機嫌そうに歩くあなたが来てくれる頃。


「ったく!!何やってんだよ、お前は!!」

ほらね、やっぱり来てくれた。
なんだかんだで、私に甘い優しい彼氏。

「ありがとう荒北くん。来てくれるって信じてたよ。」

そう言って抱きつけば、周りを気にして直ぐに私を引き離す。ガキが見てるだろうとか言っちゃってさ…。

「シャイなんだから…。」

「っせ!!黙って着いて来い。」

「………。」

「なんか喋れよ!!ったく、冷てー、手してよ。」

手を繋ぎ一緒に入場ゲートをくぐる。夢と希望と魔法の国なんて、自分には似合わないと言いながらも、荒北くんの笑顔は優しいんだ。


………………


クリスマスプレゼントって、遊園地の中で売っているネズミの耳が付いたカチューシャを渡したら、もの凄く嫌そうな顔をしながらもつけてくれた。

本当、とことん私に甘い大切な人。

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