SHORT STORY
□束の間。
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Aside
緊張してた自分の中の糸が、ぷつりって音をたてた。
「終わった・・・・」
初主演の映画の撮影を終えて、とりあえず一段落・・。とにかく突っ走ってたから、息抜きするタイミングを忘れていた。
「いつも・・・何してたっけ?」
ぼけーっと、ソファーからついていないテレビを見つめていると、いきなり携帯がなった。
「あ、潤だ・・・」
電話なんて・・・珍しいな。
「もしもし・・?」
『雅紀?クランクアップしたんだろ?お疲れ様』
「くふふ、話が早いなぁ。ありがとう。」
電話越しだけど、俺といるときだけに話してくれる声のトーンがうれしかった。
『その声からだと、だいぶ気が抜けてるみたいだな?』
「ちょっとね?やっぱり突っ走ったから・・」
『お疲れ様。でも、一旦休憩な?』
「潤なしでは、なかなか休憩モードに入れないよ〜」
『ははっ、もう少し待ってて?もう少しだから』
「うん。」
『俺も終わったら、いっぱい抱いてやるよ?』
「ふふ、待ってるよ。あ!ねぇ俺一人でシてないからね?あれから!」
何度も我慢できなくなりそうになったけど(笑)
『俺もだよ?ヤった時に絶対中出ししてやろうと思ったんだよ?』
わー・・・悪い子・・。
「そんなことしたら、俺赤ちゃんできちゃうよ?」
できねーけど。
『こっちはその気でヤってんだよ!』
あ〜・・・やっぱり寂しいな。
『寂しいか?』
あれ?伝わった?
「うん・・。会いたいもん」
普段から会ってないわけじゃないんだけどな?
『会ったらすぐに、チューしてやるから待ってな』
「うん。・・・ありがと。おやすみ」
これ以上話してたらもっと寂しくなるかも。
『うん。おやすみ。・・・愛してるよ』
なんで簡単にそんなこと言えるのかな−?
もう。
「もうっ!」
END