SHORT STORY

□束の間。
1ページ/1ページ

Aside


緊張してた自分の中の糸が、ぷつりって音をたてた。



「終わった・・・・」


初主演の映画の撮影を終えて、とりあえず一段落・・。とにかく突っ走ってたから、息抜きするタイミングを忘れていた。


「いつも・・・何してたっけ?」

ぼけーっと、ソファーからついていないテレビを見つめていると、いきなり携帯がなった。

「あ、潤だ・・・」

電話なんて・・・珍しいな。

「もしもし・・?」

『雅紀?クランクアップしたんだろ?お疲れ様』

「くふふ、話が早いなぁ。ありがとう。」

電話越しだけど、俺といるときだけに話してくれる声のトーンがうれしかった。

『その声からだと、だいぶ気が抜けてるみたいだな?』

「ちょっとね?やっぱり突っ走ったから・・」

『お疲れ様。でも、一旦休憩な?』

「潤なしでは、なかなか休憩モードに入れないよ〜」

『ははっ、もう少し待ってて?もう少しだから』

「うん。」

『俺も終わったら、いっぱい抱いてやるよ?』

「ふふ、待ってるよ。あ!ねぇ俺一人でシてないからね?あれから!」

何度も我慢できなくなりそうになったけど(笑)

『俺もだよ?ヤった時に絶対中出ししてやろうと思ったんだよ?』

わー・・・悪い子・・。

「そんなことしたら、俺赤ちゃんできちゃうよ?」

できねーけど。

『こっちはその気でヤってんだよ!』

あ〜・・・やっぱり寂しいな。

『寂しいか?』

あれ?伝わった?

「うん・・。会いたいもん」

普段から会ってないわけじゃないんだけどな?

『会ったらすぐに、チューしてやるから待ってな』

「うん。・・・ありがと。おやすみ」

これ以上話してたらもっと寂しくなるかも。

『うん。おやすみ。・・・愛してるよ』

なんで簡単にそんなこと言えるのかな−?

もう。

「もうっ!」



END
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ