Dark Pink
□SOS
1ページ/13ページ
Aside
マネージャーに車から降ろしてもらった場所から自宅玄関まで。徒歩3分。
こんな短い距離なのに・・・恐怖に震えながら毎晩歩く。
絶対に、絶対に誰かいる・・・。
俺の後ろをつけている・・・。
3歩歩いて止まる。
すると、もう一つの足音も止まる。
「やだ・・・っ」
足がすくんで、それでも動かない足を必死に動かそうとしたとき・・・。
「つかまえた・・・。」
聞いたことのない位の低い声が、耳元で流れた。
「や、やだ・・っ」
もう両腕が捕まれていて動けない。必死に抵抗しているのに、カラダの向きを変えられて唇を舐められた。生ぬるい感触に不快感しかなくて、助けを呼びたかったけれど声も出なかった。
「もう動けなくなったの?・・本当に可愛いね」
もう立つ力もなくなった俺のカラダが引きずられて、知らない車の後部座席に入れられた。
これからが、悪夢の始まりだったんだ。