パラレル
□飲みたいな
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Nside
「んっ...あぁっ!」
「んーっ!うまい!最高!」
「はっ、ハァハァっ..もう充分?」
「おう!今夜はごちそうさまだな」
「ふーお粗末さまでした...」
毎晩行われている吸血行為にそろそろ慣れていいはずなのに...
もう貧血で目の前が真っ暗だ。
「あっ!和!悪い!大丈夫か!?おい!?」
んで、こうやって慌ててくれるのが
吸血鬼のジュン。
激安、訳ありマンションのおまけはこの吸血鬼だった。
最初はビビったし、もちろん吸血行為なんてヤだったけど
これを主食にしているジュンが萎びていくのが可哀想になって自分から折れた。
『これが、快感になる奴もいるんだぞ?』
ってジュンは言ってたけど、快感なんて...
ましてやジュンは濃ゆ〜い顔の男。
性的に無理があるだろ。
「ほら、とりあえず横になれ。それとごめんな?」
彼は自分で食事をしておきながら謝ってくれる。
俺が貧血持ちだということもあってか、時々自分の食事を犠牲にするから恐ろしい。
「いいの...どうせまたすぐ治るから..ね?」
なんか吸血鬼の癖に天使のような顔を見せるから時々戸惑うが。