パラレル
□男の娘 2
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Jside
「翔・・・ですか・・・?」
「俺は、何日待ったとおもってんの?一週間前から通っては断られて、門前払いくらってんだよ!」
俺は店のカウンターでげんなりしていた。
この客が、この店のbPである「翔」を指名し続けてはや2週間が経つ。
「と、言われても・・・お客様。本人が本日は・・・と言っているので・・」
当の本人は、休暇中である。
休暇?・・・んー・・・療養中・・・?
しつこくて、外見がかなりキモ男(翔さん命名)だからこっちもイライラしている。
「絶対翔ちゃんも俺に会いたがってるって!」
んなわけねーだろ。
「今回の休暇は本人の体調に関係することですから・・・」
「は?体調?・・・ったく、店の商品がそんなんでいいのかよ?」
薄気味悪い笑みで言ってきた。
これには俺も限界。
「おい、商品とはなんだ!商品とは!翔さんだって一人の人間だ!・・・てめーふざけたこと言ってんと、店出禁にすんぞ!おら!」
勢い余って、客の胸ぐらまで掴んでしまった。
「お、おい!それが客に対する「お待たせしました」
「翔さん!」
「潤、悪かったな。もう怒んなって」
翔さんは店の奥からでてきた。
「翔!やっと来たか!」
「加藤さま、大変お待たせしました。・・それでは参りましょう?」
今日は、ゴスロリですか・・・。
翔さんは、客の手を引いて歩き出した。
「潤、どの部屋空いてる?」
「あ、・・えっと・・・11番なら・・・」
「分かった。・・・加藤さま、行きましょう」
「おお!行こう!」
さっきとは打って変わってニヤけた表情の客。
俺が後ろから睨んでいると、翔さんが少し振り向いてウィンクした。