パラレル
□蜜
2ページ/7ページ
Aside
「うわー・・今日は年齢層高めかも・・」
「お前、また来たの?ってか仕事してんの?」
「してるわ!早く終わらせるっていう技術もってるからね〜。あ、いつものね!」
「はいはい・・。」
カウンターのニノは、俺がこの店に通う前からずーっといる。
俺のお気に入りの「ジン・フィズ」をいつも出してくれる。
「っくー!うまい〜」
「ホント女子みたい・・・そんなの」
「いいの!美味いから!」
「そりゃ嬉しいけどさ?」
「ね、誰かと待ち合わせ?」
「ううん?今日は・・一人なの」
俺に話かけてきたのは、俺と同い年くらいのカッコイイ人。
ここ、男の人が男の人をナンパする店なの。
クラブ?BAR?みたいな?
「ふ〜ん・・ちょっと話さない?あっちで」
彼が指さしたのは、センターステージから少し離れた赤いソファー。
「いいよ?」
少しだけ、彼に寄り添って歩き出した。