巡る夏
□第弐話
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雨音
「お、おじゃまします…」
とうとうやってきた土曜日。リュックサックを背負って、オドオドしている雨音を珍しいと思いながら、靴を脱いだ
ニャンコ先生
「来たか」
雨音
「あ、ニャンコ先生だー」
あれからニャンコ先生は毎日学校にきては雨音と俺の元に来た。おかげで西村達に更なる誤解を招かれたが…同時に安心した
ニャンコ先生
「まだ微かに匂うな…」
雨音
「え?ほんと?ちゃんと洗ってるのにな…」
先生のいるおかげで俺は襲われにくくなったし、雨音も再び襲われる事はなかった。それに酷く安心した
夏目
「部屋は塔子さんのとこを使ってくれ」
雨音
「わかった。あっちだよね?荷物置いてくる」
パタパタとかけていく雨音を見送りながら、俺はニャンコ先生に話しかけた
夏目
「雨音はまだ狙われてるのか?」
ニャンコ先生
「あぁ、相手はよほど雨音に執着があるようだぞ。もう一匹は常に雨音の側にいるが…姿も見えんし害もないだろう」
夏目
「そうか…」
俺が安心していると毛繕いに見えない毛繕いをし始めたニャンコ先生
ニャンコ先生
「なんだ、惚れたか?」
夏目
「違うよ」
周りの人はどうしてそう恋愛にもっていきたがるのやら…俺がこうなってるのは恋愛じゃないんだ。ただ…
雨音
「置いてきたよ。お菓子作ってきたけど、食べる?」
ニャンコ先生
「菓子だと!?食べる!食べるぞ!!」
…思考を中断して彼女がもつ袋を見てみるとそこには美味しそうなタルト。すごいな雨音…
夏目
「…なら居間に行こうか」
ニャンコ先生が急かす中、俺はゆっくりと歩く。平和だなーとしみじみ思っていた