不思議一杯
□未知な遭遇
1ページ/7ページ
?
「さーて、行くか!イチコ」
イチコ
「旦那様、弾忘れてますニャ」
?
「…あ」
朝方、長年連れ添ったアイルーに出鼻をくじかれた俺はイソイソと支給箱から弾を取り出してポーチに入れる
今回はガンランスなの忘れてた…
イチコ
「終わったなら行きますニャ」
弾を詰めているとイチコが拠点にあるテントの中にいるアイルーに合図を告げた。そうする事でクエストが始まる
さて、今回のクエストはドスジャギィの捕獲。簡単なクエストだから武器の慣らしに丁度いい
俺は詰め終わったガンランスを背に直して、拠点から出た
久しぶりに見る趣きのある景色に、気分は高揚する
?
「紅葉(こうよう)をみて高揚(こうよう)…なんつって」
イチコ
「あ、蜂の巣があるニャ。採取してくるニャ」
…気分が冷めました。はい
採取をイチコに任せて、俺はよくドスジャギィがいるポイントに行く。このクエストは武器を変える度に行くから大体分かっている
途中で手についたハチミツを舐めまくってるイチコが合流。川の中流辺りにくると、ふと違和感を感じた
?
「…静かだな」
イチコ
「ジャギィが全然襲ってこないニャ」
?
「変だな…」
元々静かな所だが、静か過ぎる
更に進むとガーグァの群れを見つけた。ガーグァは俺達を認識するといつもとは逆の方向へ逃げていく。草食動物はそれぞれ徘徊ルートを持っているから、この行動はあまりにもおかしい
イチコ
「旦那様旦那様…ボクあっちに行きたくないですニャ」
イチコが指差す方向はガーグァがいつもは逃げていく方向…俺達が目指す場所がある方向
動物達は俺達よりもその方向を見ながら逃げていく。まるで俺達ハンターよりも恐ろしい何かがそこにいるかのようだ
…行くしかない。ハンターとして何がいるか確かめなければ