不思議一杯

□未知な遭遇
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「さーて、行くか!イチコ」

イチコ
「旦那様、弾忘れてますニャ」


「…あ」

朝方、長年連れ添ったアイルーに出鼻をくじかれた俺はイソイソと支給箱から弾を取り出してポーチに入れる

今回はガンランスなの忘れてた…


イチコ
「終わったなら行きますニャ」

弾を詰めているとイチコが拠点にあるテントの中にいるアイルーに合図を告げた。そうする事でクエストが始まる

さて、今回のクエストはドスジャギィの捕獲。簡単なクエストだから武器の慣らしに丁度いい

俺は詰め終わったガンランスを背に直して、拠点から出た

久しぶりに見る趣きのある景色に、気分は高揚する


「紅葉(こうよう)をみて高揚(こうよう)…なんつって」

イチコ
「あ、蜂の巣があるニャ。採取してくるニャ」

…気分が冷めました。はい

採取をイチコに任せて、俺はよくドスジャギィがいるポイントに行く。このクエストは武器を変える度に行くから大体分かっている

途中で手についたハチミツを舐めまくってるイチコが合流。川の中流辺りにくると、ふと違和感を感じた


「…静かだな」

イチコ
「ジャギィが全然襲ってこないニャ」


「変だな…」

元々静かな所だが、静か過ぎる

更に進むとガーグァの群れを見つけた。ガーグァは俺達を認識するといつもとは逆の方向へ逃げていく。草食動物はそれぞれ徘徊ルートを持っているから、この行動はあまりにもおかしい

イチコ
「旦那様旦那様…ボクあっちに行きたくないですニャ」

イチコが指差す方向はガーグァがいつもは逃げていく方向…俺達が目指す場所がある方向

動物達は俺達よりもその方向を見ながら逃げていく。まるで俺達ハンターよりも恐ろしい何かがそこにいるかのようだ

…行くしかない。ハンターとして何がいるか確かめなければ
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