君はどこ?

□こワレたぷロろーグ
2ページ/2ページ

それは梅雨時で、激しい雨の日だった

部活も終わって音楽を聞きながら帰っていた

丁度帰路の半分くらいだっただろうか

それはまるで捨てられた子猫のようにそこにいた

長い黒髪

投げ出された長いスラリとした手足

長い睫毛に縁取られた虚ろな目

はだけたずぶ濡れの衣服

白い肌にある無数のアザ

壁に持たれるように座り込んでいた君

?「アンタ…どうしたの?」

話しかけてみるがやはり反応はない

?「…このままだと風邪ひくけど」

?「…」

…無視?

いつもならすぐにその場を後にするけど、こんな雨だし見つけたのも何かの縁だろう

俺は彼女を担ぎ上げた

彼女の体が少しピクッと反応したが、動く力がないようだ

俺は「大丈夫だから」と言うとそのまま家へと向かった

持っていた傘は邪魔だったから捨てた

帰ってから怒られた事は…いうまでもないね
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ