巡る夏
□第壱話
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雨音
「夕ご飯を一緒に?…もちろんいくよ」
授業中、こっそりと聞くと彼女はそういってにっこりと笑った
ほんと…席隣でよかった。このことがばれたらどうなるか…
雨音は人気らしいからな…
夏目
「…なんか顔色悪くないか?」
雨音
「え…?そうかな?気のせいだよ」
またにっこりと笑う雨音
「この問題をー…夏目!」
えっ
…やばい、話きいてなかった
雨音
「…羅刹、だよ」
夏目
「えーと…羅刹…」
「正解。羅刹というのは大力で足が速く、人を食うといわれる悪鬼という話があるが、のちに仏教に入り守護神となった話があるが…まぁ昔の話だ。この小説ではそれをー…」
小さく礼をいって黒板に集中した
先生の解説を聞き流しながら、朝の事を思い出した
ちょびは先生に何の用だったのだろうか
夏目
《…眠い》
…まぁいいか