巡る夏
□第弐話
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宿題をして
勉強会をして
テレビを見て
ご飯を食べて
笑いあって
話しあって
段々とお互いの事がわかっていく
人との繋がりができていく
なんて素晴らしい事だろう
妖達とも忌み合わずにそうなれないだろうか
夏目
「雨音ってなんでも器用だな」
ニャンコ先生
「少しは見習え、夏目」
居間でテレビを見ながら呟いた
楽しくて、気がつけばあっという間に夜になっていた。雨音のつくる料理は簡単なものだったけど、菓子と同様にうまかった。兄妹がいたらこんなものか、とふと考える
雨音
「そんなことないよ、英語苦手だし…日本にいるんだから日本語だけでいいじゃん」
台所で片付けをしていた雨音は居間に戻ってきながらそう言った
確かに、テスト見せてもらったけどボロボロだったもんな。古典の満点にも驚いたがこっちの方が驚愕だった
点数を思い出して思わず笑ってしまい、雨音に怒られた。楽しいなぁ
ニャンコ先生
「雨音はどこで寝るのだ?」
雨音
「塔子さん達の寝室だよ」
ニャンコ先生
「…そうか、気をつけろ。こやつが妙な気を起こすかもしれんぞ?」
「「ないない」」
雨音
「だって夏目君だし」
夏目
「だって雨音だし」
ニャンコ先生
「…お前達……」
同時に否定した俺達。だよなぁ?
もう兄妹みたいなもんだし…
雨音
「あ、お風呂沸かしてくる」
夏目
「俺やるよ。してもらいっぱなしだし」
家の構造が似ているのか、雨音はテキパキと家事をこなし俺はなにもする事がなかった。流石になにもしないのは気がひける…
雨音
「そう?ならお願い」
俺は念のためにニャンコ先生を雨音に預けて、居間から風呂場へ向かった