ウォンキュ

□初めてのお泊まり
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シウォンが鍵をあけて、キュヒョンを通す。
「どうぞ。」

マンションは、ソウル市内でも高級住宅街にある。
前からシウォンはこの地域に住んでいたがなぜか最近引っ越していた。
外観はいかにも高級な高層マンション。

シウォンの他にも芸能人が住んでいるらしい。



エレベーターで20階まで上る。
20階の一番奥のドアがシウォンの家だった。

玄関をあけると、大理石の廊下が続いている。
天井がとても高く白を基調とした清潔感のある家。

廊下をまっすぐ行くと広いリビングがある。
リビングのドアを開けると、キュヒョンの見覚えがある家具が並んでいた。



リビングの真ん中に、いつも自分が座っていた黒い皮のソファーがあってちょっと安心するキュヒョン。

でも前にシウォンが住んでいたマンションよりは確実に広いリビングだった。

リビングの横にはジムの機械が置いてあるガラスばりの部屋もあった。



「すげー!」

ベランダからの景色も最高だった。
ソウル市内が一望できた。

「ここにしたのは景色が良かったから?」


「…うん。それもあるな。」

ワインを準備しながら答えるシウォン。


最高の夜景に広いリビング。

何もかも持っている男だなぁとつくづく思うキュヒョン。





キュヒョンはシウォンといつも一緒にいるけれど、聞けないことがあった。


…彼女いるの…?

…好きな人はいるの…?

こういう質問だけはなぜかできなかった。

男同士ならたまにはそういう話があってもいいと思う。他のメンバーとはそういうことも話すけど、シウォンとはそういう話題にならなかった。


去年、シウォンのスキャンダルがネットに出たときもキュヒョンは直接そのことには触れられなかった。
結局はただの噂話でその女性とは友達だったが、そのことがあってから少し二人の関係がおかしくなっていた。

シウォンのことは大抵知っていると思っていたけれど、そのスキャンダルがあってからシウォンのことを少し遠くに感じていたキュヒョン。

一緒にいないときは何をしているのか考えるようになっていた。




キュヒョンのために食事の準備をするシウォン。
テーブルに食べ物やグラスを置いてくれるシウォンを見ながら、
もうこの家には誰か呼んだのかな…
ふと考えるキュヒョン。

「キュヒョン座りなよ。キュヒョンの席はそこだろ。」

いつも座っていたソファーの端。
そこに合わせて、食べ物も置いてくれていた。



…彼女にもこうするの…?

…なんで引っ越したの…?

いつも肝心なことは聞けなかった。
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