小説


□出会いは最悪
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午前9時

聖桜桃学園の朝は静か・・・


ではありません。

男子寮の一室では小柄な男の子が男の胸ぐらを掴んでガクガク揺さぶっています。









「おっきろおおおおおおおお!!」










「樹梨、起きてよ!!
いつまで寝てるのさ!?」

『うる、さい・・・』

ウザったいほどの衝撃に目を開ける。

するとよく知る男が俺の胸ぐらを掴んいるじゃないか。

んー、どういう状況だこれ。

「うるさいじゃないよ!!
今日は真央ちゃんに早く来いって言われているじゃないか!!

樹梨くんが起きてくれなかったら僕の責任なんだよ!?」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ幼馴染である男を上からどけて睨みつけてから身体を起こした。

『・・・・・・・・あー、今日?

今日なんだっけ。なんかあったっけ。

ってかメンドくせぇ。』

「今日は編入生が来るって言ったじゃないか!!」

『あーどうせ一般生徒でしょ。
めんどくさいからサボ「違うよ!!特別生徒だよ!!」・・・・・ふーん、あっそ、って、は?』

今なんて言いましたか。

その視線を投げつければ夏都はため息をついた。

「だーかーらー特別生徒なんだってば!!!だから流石に・・・真央ちゃんこないと怒ると思うんだよねえ。

むしろ、あれだね。
あと3分経ったら煖薇ちゃんが真央ちゃんの命令でこの部屋に来て扉燃やされて、部屋の中も燃えてススだらけになって嫌いな寮官に怒られるのは樹梨だよね。」


『う゛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

うちの寮官はうるさい。

とやかくうるさい。

それだけは阻止したい。

「さあ、どうするのさ。」

その言葉に俺は床に足をついた。

『わかったよ、わかりましたよ!!
行きゃあいいんだろ!!行けば!!』
ちくしょう。なんだってこんな微妙な時期に・・・。


「そうそう、行けばいいの。行くだけでいいからさ♪」


満面の笑顔に促され、制服を身に纏ったのだった。

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