BLEACH Dream

□第四章
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 しばらく藍染を見るとドキドキしてしまう日々が続いたが、あれから3、4日が経っていた。なつみはあの夜の出来事を誰にも話せず、自分の中でモンモンとさせていた。
 そして休みの日がきた。
「そうだ、技術開発局に行かなきゃ」
ベッドから起き上がり、目を擦りつつ思い出してそう言った。
「涅隊長に薬もらうんだ」
 着替え、朝食を済ませると、早速なつみは十二番隊隊舎へと向かった。時間がかかると言われていたため、早い時間に行くことにしたのだ。

 局へ着くと、なつみは扉を叩いて返事を待った。しかし返事は無く、中から開かれた。顔を出したのは阿近だった。
「何だよ、こんな朝っぱらから……」
「えっ、えーっと……」
見下してくる視線がなつみに突き刺さり、思わず出直したくなる。
「用件は何だ」
「やっ、あの、そのっ(絶対この人寝起きで、しかも低血圧で寝覚めが悪いんだ!)」
「用が無ぇなら帰れ!」
なつみがあわわわしているうちに、阿近はピシャリと扉を閉めた。
「あわわっ!待ってください!」
すると扉の向こうで空気がピリッと変わったような気がした。
「局長、おはようございます」
「今誰を追い出したんだネ?私の客だったようだが……。そこをどきたまえ」
「はい、すみません」
そしてまた内側から開けられる。
「ヤア、やっぱり君だったか。待っていたヨ。入りたまえ」
「お邪魔します///」
今日も絶好調にぷにぷにのなつみのほっぺが、マユリの優しい声で少し染まる。
「(何だ?局長がこんな風に話しかけるなんて、こいつ誰なんだ)お前、局長に呼ばれていたなら、そう言えば良いだろ」
「すっ、すみません(だって、あなたの顔が怖くてッ)」
扉を通るなり、阿近にそう言われ、ちょっと固まるなつみ。
「なつみを怖がらせるんじゃないヨ。なつみ、ついて来なさい。私の部屋へ行くヨ」
「はい」
庇ってくれたマユリの後をちょこちょことついていくなつみを見て、ますます怪しむ阿近。
「局長が異常だ」
それはいつものことなのだが。

 研究室に通されると、そこでネムが大きめな一人がけの椅子の隣に直立していた。
「なつみ様、こちらへ」
「はい」
言われた通り、「よいしょ」とその椅子に座った。足が床に着かなくてぷらんぷらんだった。
 マユリはなつみに背を向け、机の上で何やらゴソゴソしていた。そのままの姿勢で話しかける。
「準備は整えてきたかネ?今着ている服はそれで良いんだろうが、下着もちゃんと替えてきたんだろうネ?」
なつみは胸に手を当て、恥ずかしそうに「はい」と答えた。
「何だかいつもより大胆になってしまった気分です///」
 実はこの日のためになつみはいろいろと準備をしてきていた。マユリに薬の完成を知らされた後、新しい下着と服をとりあえず1週間分は買い揃えたのだ。それから、心の準備も忘れずに。
 振り返ったマユリの手には薬の入った注射器が。
「ネム、なつみの腕を出してくれ」
「はい、マユリ様。なつみ様、失礼します」
なつみは右腕を肘掛に置き、ネムに袖を捲くってもらった。
「悔いは無いかネ?なつみ。薬の効果はどれだけ続くかはっきりとはわからない。何せ君が初めての被験者だからネ。すぐには戻れないヨ」
「大丈夫です。このために来ましたから」
なつみの目はまっすぐにマユリを捉えていた。それを確認し、マユリはチュッと少し注射器から薬を出し、いよいよなつみの右腕に刺そうとした。しかし。
「あ!」
なつみが突然声を出した。
「何だネ?」
「あのっ…、痛みますか?」
かざした手を上げ、ため息をついたマユリ。
「当然だヨ。体の構造を大きく変えるんだ。痛まないワケがないだろう。我慢するんだヨ」
「わっ、わかりました。……お願いします」
「ああ。ネム、しっかり押さえておくんだヨ」
「はい、マユリ様」
なつみは口をギュッと結んで、心配そうに注射の針が腕に刺さっていくのを見た。そして薬がどんどん注入されていくのを見守った。
「ーーーーーッ!!!」
マユリは針を抜き、慣れた手つきで後の処理をする。
「さて、そろそろだネ」
どんどんとなつみの中を駆け巡る薬。体が熱くなってくる。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。熱いです、涅隊長っ」
「薬が効いてきているんだヨ。ネム、なつみを前から押さえ込むんだ」
「はい、マユリ様」
息があがってきたなつみをしっかり前から押さえたネム。そして刹那、なつみに激痛が走る。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
なつみは椅子の上で背を反らせ、足をバタつかせる。それを冷静に見つめるマユリ。
「ネム、放すんじゃないヨ」
「はい、マユリ様」
「くあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
痛みで硬直するなつみの体は変化を見せてきた。
「おぉ、胸がしぼんできたようだネ」
「はい、マユリ様。股間の方は膨らんできています」
「そうかネ!うまくいっているじゃないか!!」
段々と丸みが無くなり、筋肉が少し増してきている。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
今度はなつみの叫びに、マユリは目を輝かせた。
「聞いたか、ネム!!」
「はい、マユリ様」
「声が低くなってきたヨ!!素晴らしい!!」
喉が千切れそうなほど叫び続け、なつみは意識が飛びそうになった。
 そしてその痛みがピークを過ぎ、自然と和らいでいく。
「ハァッ…、ハァ、ハァ、ハァ……」
「フーン…、どうやら完了したみたいだネェ……。ネム、もう放してヨ」
「はい、マユリ様」
ネムが離れると、服が肌蹴てしまっているなつみをまじまじと見つめた。汗ばんだ顔に虚ろな目をして、喘ぎながらなつみはマユリを見つめ返す。
「なつみ、意識はあるかネ?」
「はい……。ハァ、ハァ」
「診察台で君の体を診るヨ。いいネ」
「はい…」
なつみはマユリに抱き上げられ、診察台に乗せられた。
「服を脱がすヨ、全部だ」
「っ、はい……///」
マユリはなつみの服を脱がし、下着も取ってやった。その顔にはニィッと白い歯が並んでいる。
「良いネ。見た目は完璧だ。では、感覚はどうだろうネェ」
そう言って、触診を始めるマユリ。
「触れられている感じはするかナ?違和感があったら、すぐに言うんだヨ」
「はい。大丈夫です。ちゃんと感じます」
頭の先、顔、肩、腕、背中、腹、脚、つま先と触っていく。そして最後に突起を少し握られ。
「うわあっ!?」
「ちゃんと機能しているようだネ。もういい、服を着なさい」
「いっいっ、今、変な感じが!!!」
「そういうものだよ……(ニヤリ)」
なつみはネムに服を無理やり着せられながら、不安で堪らないという視線をマユリに投げた。マユリは目を細めた。
「……それが、男の体だヨ」
「はうっ!!!?」
 かくして、なつみは念願の男の体を手に入れたのだった。
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