レクイエム

□プロローグ
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昔からじいやに言われていたことがある。




ーいいかい唄羽。


ーなぁに?じいや


ーお前はいずれ倭国の姫となる。
 その時はしっかりと民に信用さ
 れ、国を作っていかねばならな
 い。わかるね?

ーうん。わかるよ

ーフォッフォッフォッ。ならいい
 んじゃよ。ーただし、




ーただし、??

ーお前のその首にあるペンダント
 は、それだけは決して他の国の
 者に渡してはいけないよ


ーどうして??大事なのは知って
 るよ!かあ様が言ってたもの!

ーそうだよ。とーっても大事なん
 だよ。そのペンダントはいざと
 いう時には壊しなさい。

ーえ、?!壊しちゃうの?
 どおしてー??

ーそのペンダントはねー...


じいやが首からかけていたペンダントをそっと手に取る。


ー国を壊すこともできるんだよ


ー国を、こわす、?

ーそうだよ。国を....いや、地球を
 壊してしまうかもしれない。
 それを上手に使えるのは私達の
 一族だけなんだ。だから、絶対
 に他の国のものに渡さないんだ
 よ?


ーうん!わかったぁ!!じゃ
 あ、唄羽、このペンダントいつ
 もお洋服の中に隠してる
 ね!!じいやと、かあ様との約
 束だもん!!


ーえらいぞ。唄羽。素晴らしい姫
 になるんだよ。


ーうーんっ!!




この会話をして数日後にじいやは息を引き取った。



私の親族は私とばあやだけになってしまった。















そして18になった今、

このペンダントをめぐり戦が起きている事など知る由もなかった。

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