Zzz

□名前を呼んで…
2ページ/6ページ

「お。きい待っててくれたんや。おおきに!じゃあ、、帰ろか?」


1年の頃、蔵と私は行き帰りを一緒にしていた。
お互いそれが当たり前だと思っていたから。



2年の時。

周りがザワザワさしているのにやっと気づいた。
大半が女子で蔵ではなく私に対しての何か。


夏休み前、部活に行くと誰も私が眼中にいないような接し方をしてきた。

仲の良かった子も複雑そうにしながらも皆と同じだった。



そのぐらいの時からなんやかんや物が無くなっていたり盗られていたりとが始まった。





年も暮れる頃。

ある子が言った。

ーねぇ、今の状況をやめて欲しいなら白石君と幼馴染みやめてよ。

ーどういうこと?



ー白石君と一緒に帰ったりしなくなれば良いってことよ。




ー.......考えとく。





結果、私は理由をつけて蔵と帰らなくなった。

              


謙也はものすごく何かあったんじゃないかって疑ってたけど。





でも、帰らなくなっただけではいじめは消えなかった。



ーなんで、?なんでやめてくれないの?


私は.......蔵との時間を削ったのに....


ー当たり前じゃない。幼馴染みやめろっていったのに。


ー何が目的なの?



ーもう、白石君と話さないで。



ーっ...




これには私も絶句した。


一緒に帰らなくなったけど話はしていた。



なのにそれもやめろだなんて。





ーもし、しなかったらどうなるか分からないから。
..........貴方も、白石君も。




私もだいぶその時は弱ってたらしく、すぐに返事をしてしまった。




「あれ?きいやん。どないしたん?」

ある時、家の前で佇む私に蔵がいった。



「....もう、...って、呼ばないで....」


「ん?もっかい言ってみ、?」


「...きいって、もう、、、呼ばないで…っ!」


「....は?なに、自分ふざけてるん......?そんなのできるわけないー・・」

「...っ、、お願....いだか、ら、、っ」


あの時の私はすごくブサイクな顔でものすごく泣いていたと思う。



「...きい....なんか、あったん...?」

蔵は私を抱きしめていった。
....その手は少し震えていた。


「....っ、、なんも、ないっ、」


これが最後。
蔵って呼ぶのは。

「...きい....?ほんま、どないしたん、?」

「....くら、...蔵っ、、!」

ひとしきり泣いて、けじめをつけた。

だから笑って、
ありがと、....白石君って言えたんだと思う。



でも蔵はすごく傷ついた顔をしていた。


蔵にはいじめのことがバレないようにしてたから、訳わかんなくて当然だったと思う。





あれから、いじめも少なくなり部活の子も前と同じようにしてくれた。




....のに、なんで今。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ