短いお話

□お話
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「『なんで?なんでなの?




なんで、誰も私を必要としてくれないの?
なんで、誰も私を愛してくれないの?
なんで、私のことを邪魔者のように扱うの?



そんなに私が嫌い?
そんなに私がいらない?



そうだよね、そうだよね。
だって私にはあの人の血が入っている。
貴方ではなく、あの人の血。


だから、貴方は私の事を嫌う。
目も合わせてくれない。
挨拶しても、低い声で、嫌そうに言う。
貴方とって、私はただの連れ子。
邪魔な存在。





私はただ、欲しかっただけ。
愛が、存在場所が。




ここにいてもいいんだよ。


そう言ってもらいたかった。
なのに、なんで後からきた人に私の居場所は奪われてゆく?
なんで、なんで、なんで?


誰か教えて。
私のこのココロを黒く染めていく嫌な感情は何?
これはそもそも感情なの?
これはなんなの?


苦しい。苦しい。苦しい。



私は、本当は生まれてはいけない存在なのではないのか?
ここにいてはいけない存在なのではないのか?
わからない、わからないから苦しい。



気づいてほしい。
いつも、いつも、苦しくて、でも泣けなくて、そんな私に、気がついて。


私はもう限界だよ。
お願い気づいて。
一言、一言でいいから。


だいじょうぶ、ここにいていいんだよ。



そう私に言って。
私が存在していい場所を頂戴。
私がいていい場所を頂戴。
わがままを言ってもいいのなら、愛を頂戴。
こんな、邪魔な存在である私に、愛を頂戴。



この寂しいと叫んでいる心を、暖かくしてくれるモノが、私は欲しい。
欲しくて、欲しくてたまらない。


私は、弱虫だから、だから、怖くて人前ではこんなこと言えないの。
お願い、私の居場所を頂戴。
そして、わがままを言っていいのなら、愛を頂戴。




苦しくて、苦しくて、一人ぼっちになってしまった私に気がついて。



いままでよくがんばったね、そう言って、抱きしめて。
寒いの、さみしいの、悲しいの。


もう、一人ぼっちは嫌なの。



誰か、私に早く気がついて。』」
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