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□いつも君のそばに
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彩花は人見知りで天然、少々夢見がちな性格から、女子生徒との関わりが苦手だった。
また、小柄で目を引く可愛らしさ、先のような性格が災いしてか、女子生徒からも嫉妬まじりの好奇の目で見られることもあり、心を許せる友達もごく少なかった。

そんな彩花と入学当初から気が合いお互いに親友と呼び会う真央は、彩花に対して事ある毎にちょっかいをかける佳佑とも自然と打ち解け、3人はいつも一緒にいる、という構図が出来上がっていたのだった。

真央は、圭佑が彩花に対して特別な感情を抱いているのを知りながらも、いつも彩花を気遣う圭佑の解りにくい優しさに惹かれ、彩花に対して嫉妬を抱くようになってしまっていたのだった。


「彩花、話があるんだけど…。」


真央が彩花に切り出したのは、水曜日の放課後だった。

「はなし〜??」

二人でいつも立ち寄るアイスクリーム屋のオープンテラス席に座り、いままさに、二段のアイスクリームを頬張ろうとした瞬間だった。
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