B二次創作
□短編
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【野球少年】
野球少年、そう言われていたのは何年前だろうか。
今や相棒になった時雨金時を見る。
この選択をした事に後悔しているわけではない。
ただ、そう。
昔を懐かしんでいるだけだ。
自分の親友は、沢田綱吉は今、ボンゴレファミリーを改善する為に毎日忙しそうに働いている。
もうひとりの親友は、綱吉の右腕としてサポートをしながら働いている。
山本武は今、日本に帰国している。
懐かしい、そう思いながら並盛を歩く。
事の始まりの並盛中学校、今は雲雀恭弥は幻となっている。
(まぁ幻のほうが、うん。いいよな。)
自分の家の前につき、立ち止まった。
ジャージで帽子とか、流石に変装しすぎたか。
少し苦笑して戸を開けた。
「ただいま、親父。」
「おう武、早かったな。」
「あぁ、ツナが早く帰ってやれってうるさくてさー」
「そりゃよかったじゃねーか、ほれ、手伝ってくれや、今日はお客さんが来るんだ」
「おう、んじゃ着替えてくる」
父親には自分がマフィアな事をきちんと伝えている。
その話をした時はいつだったか。
…そう、確か。
高校生の時だ。
***
特に何事もなく平和に並盛高校に入学し、特に何事もなく一年間過ごした。
「にしても、暇だよなー…」
「ねぇ、見てよこれ。暇そうに見える?」
「ははっ、頑張れー。」
「…はぁ」
授業をサボり、することもなかったので勝手に応接室に侵入し勝手にくつろぎながらそう呟いた。
「君、風紀委員だよね、並盛の秩序だよね。」
「えー…だってほら、書類とかヒバリの仕事じゃねー?」
「あー、もういい…喋らないで、頭痛くなるから。」
「へーい」
山本は高校生になり、一年の時に風紀委員に入った。
ヒバリを止めるのが唯一、山本武だけだったからだ。
意見をはっきり言えるのも山本だけ。
じゃあお前入れよ、とリーゼントな先輩に言われたらもう入りますとしか言えなかった。
「大体、僕は反対だったんだよ、なんで君が風紀委員になってるワケ?」
「まーまー、気にしだしたら止まらねーぜ?つーかそれ、明日までだろ?俺はちゃんとここで応援しとくからさ」
「少しは手伝おうとか思わないの?」
「えー、パス。」
「後輩のくせに…」
「ヒバリの年齢分からないまんまなんだけどな。」
その時に丁度授業終了のチャイムが鳴った。
あ、もうそんな時間かと思い山本は軽くストレッチをして起き上がる。
「うっし、授業終わった。」
「風紀委員とあろう者が堂々とこの教室でサボるとか…ありえない。」
「じゃー俺見回り行ってきまーす」
そう言って足早に山本は応接室から出た。
雲雀はもうため息をつくのも疲れた、というようにまた書類に目を通し始めたのだった。
見回りと言っても特にすることもなく、昼休みの時間を寝て過ごすことに決める。
親友の綱吉は補修だなんだと言っていたから多分昼休みは潰れるのだろう。
獄寺は…まぁ多分サボってるんだろう。
大きく伸びをしたら欠伸が出た。
ふわぁああ…と大きい欠伸をして空を眺める。
「オメー、何してんだよ」
「えー?寝る所」
「風紀委員だろーが」
「いやいや委員長が書類に追われてるからすることないんだよなー…で、獄寺は一体何してたんだ?」
「あ?……まぁ、おう、サボってた。」
「ははっ、同じなのなー」
「それだと他の奴等に示しがつかねーな」
「ははっ、お前だけには言われたくないなー」
「うるせーよ、強制的に入らされたんだよ、お前の委員長に」
「まぁ頑張れって部長ー」
*続くかもしれない*