B二次創作

□短編
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真6弔花なんて知らない。
確かにそう言った。
そして、チョイスの申し込みは白蘭個人からだとも。

自分の時は、皆でチョイスの会場に向かったし、そこで白蘭には敗れてしまった。
綱吉は力を使い果たしている状態で、今から白蘭や、残っている他の真6弔花とは戦えない状態だった。
そんな時、操られていたはずのユニが現れて、ユニを助けることになって…。

でも、真6弔花がいなくて、ユニがどうなっているのかはまだこの時には分からないし…どうしたものか。

どうすればいいんだ?リボーンに助けてもらうか?
この時のリボーンは凄く体調が最悪だったような。

…体調は、大丈夫なのだろうか。

なんだか嫌な感じがしやがる。
先程から、綱吉との会話が噛み合っていないのだ。
目の前にいる沢田綱吉は、どうやら未来での出来事を全て経験しているらしく、無事過去に戻ったことがあるようなクチだ。
真6弔花ってのはなんなんだ、自分はそんなの知らない。
綱吉達が倒すべきものは白蘭のみだと、そう思わされていたのか…?

そうだとすれば、ツナは、無事なのか…?

『10代目からの無線です!!!繋ぎます!!!』

『あ、あー、聞こえてるかー?』

「その声、山本だな、今どうなっている」

『おっ小僧か!』

「ああ、そうだ、それでどうなった」

『あぁ!ツナが勝ったんだ!白蘭って野郎に、勝ったんだよ!!!』

『やりましたね10代目ぇ!!!!』

『極限に中々筋の良い戦いっぷりであった!』

『うん…終わったんだよ、リボーン、何もかも、終わったんだ!』

『フン…僕は退屈だったよ』

「じゃあ帰ってこい。京子達には俺から伝えてやる」

『うん、ありがとう、リボーン』

今、なんと言ってた?
白蘭に勝った、だと???

白蘭は、過去に自分が戦った白蘭よりも、相当に狂っていると言っていた。
そんな白蘭にあっさりと勝てたっていうのか?
あの力だけで…?勝てた、のか…?
そういえばここはパラレルワールドだったか…。

ならば、どうして自分はここにいる?
解決したのなら、白蘭から預かったこの封筒を開けてもいいのではないか…?

分からない、何がどうなっている?

「俺、帰っていいかな」

「いいんじゃねえか?何もかも終わったらしいし」

『コレ、全てが解決したら読んでくれるといいから』

見るしか、ないな。
そう考えた綱吉はリボーンの前で白蘭から受け取った封筒を手に取り、中身を取り出した。

「えっ?」

***

時は遡り、綱吉達は白蘭を倒すべく、白蘭に呼び出された場所に来ていた。

「これで、終わるのかな…?」

「どうしたツナ、怖いのか?」

「10代目…」

「アジトに皆を置いてきたのは、間違いだったんじゃないかな…」

「大丈夫です、10代目。アジトにはリボーンさんや姉貴がいます。全員、一番安全なところにいるんです!」

「そうだぜツナ、俺達は白蘭って奴を倒せば万々歳なんだろ?じゃあやることは一つしかないんじゃねーの?」

「そうだぞ沢田!!!!京子達の事は心配するな!!!」

「うん、そうだよね…リボーンがいるもんね」

「ん?なんだこのゴツイ機械」

そう言って獄寺が指を指したのは白蘭が用意したと思われる、何かしらの機器だった。
その機器に近付いた山本に反応したのか、機械からスクリーンが映し出される。

白蘭だ。

『やっほ〜!来てくれたんだねぇ綱吉クン、そんなに過去に帰りたいのかい?』

「白蘭…!」

『やあ綱吉クン♪元気かい?』

「ねえ、約束通りに来たら何この人数、咬み殺されたいの?」

『まあまあ雲雀恭弥クン♪そんなにイライラしないでよ』

「おい白蘭!!!俺達はお前を倒して過去に帰るからな!!!首洗って待っておけよ!!!」

『獄寺隼人クン、やる気だねぇ』

「おっと、俺の事忘れてもらっちゃ困るぜ」

『山本武クンかあ、元気そうだね』

「極限に勝負だー!!!白蘭!!!!!」

『暑苦しいなあ、まあ嫌いじゃないよ』

「私達は、負けない…!」

『クロームちゃん、だったかな。ごめんね?キミの大事な骸クンを殺しちゃって♪』

『まあ、積もる話もあるけれど、ボクも暇人ではないし、さっさと終わらせちゃおっか』

『目の前にワープができる機械を設置しているから、それを起動してこっちへおいで♪…待ってるから』

プツンと画面が切られ、綱吉達は意を決した。
このピエロのような男には、絶対に負けたくない。
いや、負けられない。

「10代目、心の準備はいいですか?」

「うん、行こう」

「なにやってんのさっさとしてよ」

そう言って雲雀は躊躇なくボタンを押した。
するとブオンブオンと機械が発動する音がなり、眩しく光った。
そして10年バズーカを受けた時のような感覚が体を襲う。
眩しい光が落ち着いた頃、その場からは誰もいなくなっていた。

***

急に視界が眩しくなり、咄嗟に目を瞑った綱吉は眩しい光を感じなくなると、ゆっくりと目を開ける。
そこにはビルやらが建造されている街、のような場所にいた。

ワープを、したのか。

他の皆がワープについて喋っているのを聞き流しながら、綱吉は自分の中でふつふつと込み上げている感情について考えていた。

それは、白蘭のことを許せないという気持ちだ。

こいつがいたから、あんなに苦労して手に入れたボンゴレリングを未来の自分が粉々にして捨てたのだ。
こいつがいたから、未来の自分は死んでいた。
こいつがいたから、未来のリボーンは死んでしまっていた。
こいつがいたから、ラルはコロネロを失ってしまった。
こいつがいたから、アルコバレーノも死んでしまった。
こいつがいたから、10年後の両親は行方不明のままで。
こいつがいたから、山本の父親は殺され。
こいつがいたから、マフィアなんか関係ない、他の皆に怖い思いをさせた。
こいつがいたから、ラルは力を使い果たして、意識不明の重体になって。
こいつがいたから、山本や、獄寺や、他の皆も重体に。

こいつがいた、から。

自分が計画した事なのは分かっている。
正一が影から自分たちを守ってくれていたことも、分かっている。
未来の自分が追い詰められていたのだろう事も、分かってはいる。
でも、だからといって京子達を巻き込んでしまったのは間違いだと、今でも自分はそう考えている。

でも、それは自分の行い全てに原因があるのではなく、白蘭という男が、元凶なのだ。

そこまで気付いてしまった綱吉は、自分の気持ちを、抑えられなくなっていく。
憎悪が、執念が、憎しみが、負の感情が、もう、どうしても、許せない。

チョイスなんて、そんなもので終わらせて良い話ではない。
どうしてそんな話を受けてしまったのだ自分は。

どうして、他の人達を連れてきてしまったのだ。

「10代目?」

自分だけで、来ればよかったのに。

「ツナ?」

皆を、動けない状態にでもして、どこか安全な所にでも置いてくれば良かったのではないか。

「ボス…」

そうすれば、自分は。

「ツナ?どうしたんだ?おなかすいたのか??」

自分は、

「…」

俺は、

「沢田?」

白蘭を、殺したのに。

「おいなんか10代目の様子がおかしいぞ」

「ツナ…」

「ボス、」

「ツーナー!おい!ツーーナーーー!!!」

「沢田…」

白蘭を、殺せば…

「沢田綱吉」

ズゴォン!!!!

「10代目!!!!!!」

綱吉は突然雲雀に殴られ、先程まで考えていたことをすっかりと忘れてしまった。
遠慮なしにこちらに向かってくる雲雀を見て、綱吉はどうして殴られたのかを考える。

群れすぎたのだろうか?

「僕は突然、未来なんかに飛ばされて大迷惑しているんだ」

「すみません…」

「君達に従っているのは、過去に戻る為」

「君は違うの」

言われている意味が、綱吉には理解できなかった。
だが、なんだか少しスッキリとしたのを感じた。

もう既に、白蘭の策に嵌っているとも気付かずに。

時間は戻り、白蘭から渡されていた封筒の中身を取り出した綱吉は混乱していた。

封筒の中には、また封筒が入っていた。
確認をすると、違うパターンの時と書かれている封筒を発見。

とりあえず、これを見ろということなのだろうかと思った綱吉は中身に目を通す。

そういう事か。
全てに納得がいった。

自分がやらなければいけないこと、それは…

白蘭の暴走を止めることではなく
沢田綱吉の暴走を止めること。

【ボツ理由】
綱吉が飛んだ時間軸をチョイス戦中として作成していたが途中でメローネ基地突入後にしたため、大量に書いたが消すことに
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