うた☆プリ 短編
□変態に恋されてしまいました@
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「しょーぉー!!」
後ろから大声で呼ばれて、肩に重みがかかる。あまりにも勢いよく飛びついてくるから、抱きしめられなかったら飛んでいくかと思った。
こんなことを日常的にするのは、那月か音也しかしない。でもこの抱きつき方は音也。
「音也、重い!体重かけんな!」
「だって翔って抱きつきやすいんだよ。ベストサイズ!」
「うるせぇ!遠まわしにちっちゃい言うな!!」
最初の頃の音也は、普通に後ろから叫んできただけだったはずなのに。…那月に感化されたか?
今ではもう、那月よりも音也に抱きつかれる方が多い気がする。
――つーか。
「音也、お前いつまでくっついてんだよ」
「え〜、別に減るモンじゃないよ?」
「減るわ!主に俺のプライドがっ!」
「仕方ないじゃん、俺スキンシップが好きなの〜」
「いくらスキンシップが好きだからって…ひゃぅっ!?」
急に与えられた刺激に、思わず声が漏れる。
ちょ、コイツ脇腹を撫でてきやがった!まだ昼間で、しかも場所は中庭だっつーのに…!
シャツの裾からいとも簡単に侵入した腕は、我が物顔で肌を滑っていく。
「音也、マジで…シャレにならねぇ、って…!」
「だってホント、翔とスキンシップとってると落ち着くんだよ〜」
「ふっ、ざけんな…!こんなん――…」
*スキンシップじゃなくてセクハラだ!*
(持てる力全てで振り上げた拳は、)
(見事なほど綺麗に音也の顔面に決まった。)