うた☆プリ 短編

□変態に恋されてしまいましたA
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アイドルを育成する早乙女学園といえど、やはり教育機関なわけで。

年に1度、生徒を集めて球技大会なんかをしたりする。

まぁ、主に張り切るのは俺とか音也なんだけど。

トキヤは無駄に汗かくのを嫌うし、レンは相変わらず女子に囲まれてるし、那月は言わずもがな何やらかすか分かんねぇし。


――こう見ると、俺たちってホント濃いヤツばっかだな。あぁうん、分かってはいたけどさ。


でも、そんな中でも最近一番意外なのは聖川だと思う。

どうやら聖川は、最近カメラにハマってるらしい。あの、いかにも【和】って感じのヤツがカメラを構えてるのは、周りから見ても意外だろう。


まぁそんなワケで、最近の聖川は行事ごとに張り切って写真を撮ってくれる。

それは今回の球技大会もで、俺は一人で聖川の部屋で撮った写真を見せてもらった。
本当は音也も一緒の予定だったんだけど、どうやら月宮先生に呼ばれたらしい。レンは相変わらず「レディとデート」らしく、部屋には俺と聖川しかいない。


「どうだ、来栖。写真の出来は?」
「ん、なかなかじゃね?キレイに撮れてんじゃん!」


聖川の写真はブレも少なく、躍動感がある。素人の俺ですら感心するくらいだ。
ちょくちょく撮っている花とか空の写真も、聖川らしいと思う。


「お、これは音也と那月じゃん。――ん?」


仲良さそうに二人でピースサインをしてる音也と那月。でも、二人は写真の中心からズレている。そう、まるで違う誰かをフレーム内に入れたみたいに。

…いや。みたい、じゃない。本当に誰かをフレームに入れてる。そして多分その人物は、

見慣れた帽子。
帽子から覗く金髪。

…そう【俺】だ。


他の写真もよく見れば、必ずどこかに俺が写っていた。
友達と笑ってたり、ドリンクを飲んでたり、挙句の果てにはTシャツを着替えてたり。

…これは、あれだろうか。ちまたでは時折問題になる、盗撮とかいうヤツ。


「来栖、どうかしたか?」


不思議そうに首をかしげる聖川が、俺の顔を覗き込んできて。
そんな聖川を俺は反射的に殴っていた。






*盗撮が犯罪だって知ってるか?*

(なんか聖川から変な音がしたけど、)
(後悔も反省もしてない。うん)
 

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