ハイキュー 短編
□食後にとびきり甘い君を
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リク:日向にベタ惚れな影山と天使な日向のラブラブお家デート
俺の恋人は天使だ。
いや、本当に天使なわけじゃなくて天使みたいに可愛いってことだけど。まぁむしろ天使よりも可愛いが。
そしてそんな天使――日向と、今日は(日向曰く)お家デート、らしい。
「あっ、今月の月バリ!読んでもいい?」
「おー…」
お家デートになった理由は簡単だ。
日向が唐突にデートがしたい、なんて言い出して。
でもとりわけ二人とも行きたい所がなくて、結局日向がウチに来る形で落ち着いた。それだけ。
最初は物珍しそうに部屋を探索してた日向も、今は大人しく置いてあった月バリを読み始めている。
「…ちょっと飲みモン取ってくっから。ゆっくりしてろ」
「ん、あんがと!」
正直に言おう。
――ここまでよく堪えてる、俺。
キッチンに行き、飲み物を取ろうと冷蔵庫を開ける。すると中には二つのモンブランと、日向と二人で食べるようにと書かれた母親からのメモがあった。
慣れないキッチンからおぼんを探し出し、麦茶とカップ、モンブランを乗せる。…やべ、フォーク忘れるとこだった。
「日向、開けろボゲェ」
両手が塞がってるから部屋の外から声をかける。
「影山おかえりー。あ、モンブラン!」
「母親が二人で食えって」
「やったー!早く食おうぜ!!」
俺の部屋にテーブルなんて洒落た物はないから、そのままカーペットの上におぼんを置く。
麦茶を注いでモンブランと一緒に出すと、日向は目をキラキラさせながら「なんかデートみたい…!」と呟いた。
「みたい、って何だよ。お家デートって言ったのお前だろ」
「そうなんだけどさー、なんかこう、恋人!って感じがして。いいなーって」
「当たり前だろ、恋人なんだから」
それは紛れもない事実で、何気ない一言だった。
なのに、
「え、あ、……っ…」
日向が真っ赤になって反応するから、
「日向、」
その真っ赤な顔に手を伸ばそうとして、
「ひな、「あーっ!!も、モンブラン!モンブラン食べようぜ!」
――避けられました。
「…いらねぇ。お前にやるよ、モンブラン」
「え!?いいの?」
期待を込めた瞳で見てくる日向には、気のせいか犬耳と尻尾が見える気がする。
天使で犬っぽい日向。それはかけがえのない、俺の恋人だ。
「あぁ、いいぜ。そのかわり俺は、」
*食後にとびきり甘い君を*
(家に泊まるって連絡しとけよ)
(そこまでがお家デート、ってことで)
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