うた☆プリ 長編
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翔がアメリカへ渡ってから、早くも3ヶ月が経った。
その間もST☆RISHメンバーは個人の仕事をしているし、バラエティー番組などでは顔を合わせることもある。
そんなときに話題になるのは、決まって翔のことだった。
そして、今日もまた。
「ねぇ、最近翔からメール来ないよね〜」
珍しく5人が集まった楽屋で、始めにそう切り出したのは音也。
誰もが分かっていたその事実に、楽屋の空気が暗くなる。
――アメリカへ行ったばかりの頃は毎日のように届いていた翔からのメールが、ここ数週間は一通も届いていない。
翔にだって事情がある。そう割り切っていても、やはり心のどこかで気がかりなのだ。
「…翔ちゃんのことです。きっと大丈夫ですよ」
「おちびちゃんは、ああ見えて結構タフだからね。きっと向こうでも元気さ」
まるで自分に言い聞かせるように言った那月とレンの言葉。
それに同意する者はなく、5人はただ、いつもならもう一人の仲間が座るであろう席を見つめていた。