君と僕と真実と

□君と僕と真実と〜君編〜 第1章
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『ちょっと、和くん!!待ってよ〜!』


「早くしねーと遅刻だぞ?!」


『和くんが寝坊したんじゃない!!!』


「とにかく急げ〜!!!」


入学式初日、私たち幼馴染は早速遅刻の危機です。


原因はもちろん和くん。


私が朝7時に起こしに行ってもまだ起きなかった。


私の計算だとギリギリで間に合う。


巷じゃHSKなんて呼ばれている彼もこーいうとこはちょっとダメ。


こんな子よその女の子様にお婿になんて出せない!!!


私がちゃんと立派な子に育てなきゃ!!!


なーんて正義感を心に宿していた私だったけど・・



***入学式終わりの教室***



遅刻はしなかった。が、しかし。


『・・・』


彼のコミュ力忘れてました。


和くんは人とお友達になる天才でした。


比べて私は・・


人見知りor口下手or目が釣り目という最悪の要素を持った超低コミュ力の持ち主・・


目がどちらかというと釣ってるから睨んでるように見えるって言われるし、口下手だからツンツンした感じでしか話せないし、人見知りだから目も合わせられない・・。


ヘルプ!!!和くーーーーーーーん!!!!!


「おうおう、どうしちゃったの名無子ちゃん?」


『か、和くん・・!!!』


私の心の内を察したかのようにこちらへ来て笑いかけてくる和くん。


て・・天使に見える・・。


「名無子は口下手だかんなぁー。和くんがお友達作り協力してやろーか?」


『う、ううん。それはいいの。和くん、お友達たくさん出来てもたまには私としゃべってくれる?』


そういうと和くんは口をぽかん・・と開けて目を見開くと今度はブファッと笑いだした。


「まっさか・・そうきたか!!!ククッ・・大丈夫だよ!たまにはじゃなくて毎日でも喋ってやるよ!!!つーかさ、そっちこそ!友達で来ても俺としゃべってくれる?」


『あ、当たり前だよ!!!和くんは私の一番なんだから!!!』


「おーおー、嬉しいこと言ってくれんねぇ。じゃぁ、約束なっ!!」


『うん!!』


「ねーねー、お二人さん!!仲いいねぇ!私も混ぜてよ!!!」


「おう!いいぜ!いいよな、名無子!」


『う・・は、はい!!ぜふぃっ!』


「あははっ!噛んでるよ!ありがとう!えーと・・」


『な、名無し名無子ですっ!!』


「へー、可愛い名前だねッ!!私、春夏秋冬壱(ひととせ いち)!!よろしく、名無しさん!」


『あ、名無子でいいですよ。壱さん。』


「ほんとー?じゃぁ、名無子!あ、私も壱でいいよー。」


『い・・壱・・?』


「そんなかしこまらなくてもーー!!名無子、おもしろいねぇ!!!」


「そーなんだよ!!あ、俺、高尾和成。コイツさぁこんな見た目してっけど中身正反対なの!!」


「そーなんだ!二人は何?カレカノ?」


『ちちち、違うよ!!和くんとは幼馴染!!!』


「そんな前否定しなくてもよくね?和くん泣いちゃう。」


和くんが顔を手で覆ってグスン・・という。


『えええ?!』


「ブフォッ!!!な?おもしれーだろ?」


「ほんとだ!チョー可愛い!!!」


『え?え?』


どうやら鳴き真似だったらしい。


む・・遊ばれた。


「ま、仲良くしてやってね。春夏秋冬ちゃん。」


「りょーかい!てかむしろこっちから土下座で頼みたいwww」


「だよなぁ。こいついいやつ過ぎて泣けるもん。」


『か、和くんのばかぁ!そんなに過大評価しないでよぉ!』


「いやいや、マジそれぐらいスゲェから。」


和くんが私のことを褒めまくるせいで顔が熱い。


「あーー、名無子、顔赤い!!」


「い、壱もいじめないでよぉ!!」


「あははっ。もーマジ可愛いっ!!!!」


壱がぎゅうっと私を抱きしめる。


その後中学の時のいろんな話をして高校生活一日目のホームルームが終わった。








「あ、名無子!わりーけど、俺今日から早速部活あんだわ。だから一緒に帰れねー。」


『そっかぁ。うん。わかったよ。部活頑張ってね。』


「おう!サンキュー!!!」


ガヤガヤと下校する生徒たちで騒がしい下駄箱で和くんと別れる。


時刻は4時30分。


今日は入学式があったためいつもより下校時刻が早いらしい。


    
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