君と僕と真実と

□君と僕と真実と〜君編〜 第2章
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「す・・すごい熱気・・」


『ほんとだね・・。ていうか、人・・多い・・』


先ほどの和くん&壱の説得により私はバスケ部の練習が行われている体育館に来ていた。


私は壱と体育館の2階で練習風景を眺めていた。


「あ、おーーーーい!!!名無子、春夏秋冬ちゃん!!」


「お、高尾じゃん。」


『和くーーん!!』


和くんの声に嬉しくて大きく手を振り返す。


少し先輩らしき人と喋ってから和くんがこちらへ走ってきた。


「名無子!!来たんだなっ!」


『和くんがあんなに言うから・・ちょっとね。』


ニコッと微笑んで見せるとお前は本当いい子だなぁ。と私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回す。


『痛いよ〜!!!』


「わり、」


「イチャつくなよ、バカップル!」


「『だからカップルじゃないって!!』」


壱のこのからかいには慣れてきた。


会って一日でここまで打ち解けられるのは壱のコミュ力が高いからであろう。


『私は、壱とがいいもん!!』


「くそぅ!可愛いなこのやろっ!!」


このこの!と、いいながら私を抱きしめる壱とそれを見て笑う和くんに心が和んだ。


『私・・バスケ部はいろうかな。』


「「え?!マジ?!」」


『うん。』


「今の流れでどーしてそうなった。」


『二人と一緒にいたいなぁ・・って思って。ダメかな?』


「ううん!!嬉しい!!!」


「じゃ、大坪サンに言ってくるわ!!!ひゃっほー!!さすが俺の幼馴染!!」


『あはは。じゃぁ、和くん、壱、よろしくね!!!』


「名無子っっ!!まじ愛してる!!こっちこそよろしくぅぅぅうううう!!!」


壱の熱い抱擁を受けその日は体育館を後にした。







翌日、和くんから「放課後ジャージで体育館に集合」という知らせを受けた。


そして今、私は壱と一緒に体育館へ向かっている。


「ねぇねぇ、名無子。高尾って彼女いんのかなぁ?」


『和くん?んー・・いないと思う。』


「そっかぁ。あいつモテるのになぁ。」


『えぇ?!』


和くんがモテる?!


んなバカな!!!!


「なんでそんなに驚いてんの?!高尾、イイ奴だし、顔立ちも整ってるし・・今日も昼休み告られてたよ?」


『し、知らなかった・・』


私は和くんの新たな情報を手に入れ静かにショックを受けました・・。







体育館につき、キャプテンの大坪先輩とご対面した。


で・・でかい・・。


あと・・こわい・・。


「よろしく。主将の大坪泰介だ。」


「春夏秋冬壱です!!よろしくお願いします!!」


『な、名無し名無子でしゅ!!!・・あ。』


「「ブフッ」」


か、噛んじゃった・・。


口元を押さえて笑いをこらえる大坪先輩とこらえきれずお腹をかかえて笑う壱。


『そ、そんなに笑わなくてもぉ・・』


「いやぁ、すまない。・・ぷふっ・・つい。」


『( ^ω^)・・・』


「すまないって。そんな目で見ないでくれ・・。」


「名無子、ほんとサイコーー!!!」


なおも笑い続ける壱に私が「泣くよ?」というと「スイマセンっしたァァ!!!」と勢いよく頭を下げた。


「早速本題に入るな。まず今日は練習風景を見ているだけでいい。今秀徳バスケ部にはマネージャーがいない。君たち二人だけだ。」


『い、いないんですか・・?』


「ああ。その・・ゴホン。ある人物のせいでな・・。」


『ある人物・・?』


めっちゃ気になる・・。


壱もそう思ったらしく「誰ですかっっ!!!」と大坪先輩を質問攻めにしている。


「ま、まぁそれは後で・・。今日はとりあえず自己紹介と部員紹介をする。あとは練習内容を把握して明日試作メニューを作って持ってきてくれ。」


「『はい!』」


大坪先輩との挨拶&このあとの予定の説明を終え、私と壱は体育館の隅へ移動した。


この学校に入学して3日目。


早くも私の高校生活が動き出そうとしていた。







「集合!!!!」


大坪先輩の声で部員たちが一斉に練習の手を止め集まる。


「今日はレギュラーメンバーだけに集まってもらった。」


「おい、大坪。なんだよ、急に。」


「マネージャーが新しく入った。」


「あぁ?また、チャラチャラした奴じゃねーだろうな?轢くぞ。」


ぶ、物騒な人がいるんですけど・・。


「とりあえず自己紹介だ。名無し、春夏秋冬、前に来い。」


「はーい!」


『は、はい!』


大坪先輩に呼ばれ震える足に喝を入れながら壱についていく。


「今日からマネージャーとして入ってもらうことになった。名無しと春夏秋冬だ。」


「春夏秋冬壱です!!名無子と一緒に頑張っていきます!!よろしくお願いします!!」


『な、名無し名無子でしゅ!!うぅ・・よろしくお願いします・・。』


「ブッ!!!」


「きゃはは!名無子また噛んだ!!」


「でしゅって・・(笑)」


『す、すいませんっ』


((((可愛いな、オイ。))))


「ブフォォッ!!!名無子・・それはねーわwww流石すぎる・・www」


『か、和くんの意地悪ぅ・・』


「和くん?!」


「和くんだと?!」


「おい、高尾。お前どーいう関係だコラ。」


「幼馴染っすよ!あれ〜先輩慌てちゃいました〜?www」


「「「断じて違う!!!///」」」


「www」


「ふん・・くだらん。」


先輩方と和くんがじゃれあっている(?)脇の方で一人眼鏡を押し上げる彼が目に入った。

   
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