キスと恋と欲望の

□キスと恋と欲望の 第1章
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仕事をクビになった。


名無し名無子は途方にくれていた。


先程まであのお店で働いていたんだ。


なのに今名無子はこうしてその店を遠くから眺めている。


住み込みで働いていたためにクビになてしまっては住む場所も働く場所もないわけで。


「私・・生きていけるの・・?」


まぁ、こう思うのが当然である。


それに名無子はまだ17歳だ。


未成年であるため、なかなか雇ってくれる場所もない。


「どーしよぅ・・。」


店が見えていた橋から離れ、一人トボトボと歩き出す。


こんな時に母親や父親、兄弟などがいればどんなに楽か。


生憎、名無子には親も兄弟もいない。


既に両親は他界しており、兄弟は元からいない・・一人っ子だったのである。


「なにか仕事探さなきゃ・・」


そう呟き、ふとある建物が目に入った。


「真選組屯所・・。」


この大江戸を守る真選組。


ここでなにか募集してないかな・・と思い門を探す。


するとそのキョロキョロした様が怪しかったのか、真選組の隊員らしき人に腕を掴まれた。

   

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