Shangri-la
□X far away・・・
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スランドゥイルside
錆びた鉄格子の向こうで、私の愛するエルフが泣いている。
お前が悪い、全てはお前が悪いのだ。
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行方不明のエルフ達の行方については、裂け谷の遣いの者から聞かされた。
ちょうど月が煌々としている、真夜中の森の見回りから城へ帰った時だ。
父は落ち着いた様子で遣いの者の話を聞いていた。
衝撃だった。
頭を何かで打たれたような衝撃。
あの崇高なエルフが、あの様な醜い怪物の姿になってしまうのか。
今まで斬ってきたオークは、元は私の顔見知りのエルフだったのか。
行方不明の友の顔が浮かび、手が震えた。
そしてどうしようもない不安に駆られる。
ーーージャスミンは・・・ジャスミンは無事か?!
オロフェア : 深い森に眠る美しいシンダールエルフと仲が良いのか、我が息子よ。
隣にいた父の低い声に私は動揺した。
スラ : ジャスミンのことですか。
ふん、と蔑む様に私を見た父上は私の周りをゆっくり踏みしめるように歩く。
オロ : 彼女は美しい、美しいシンダールエルフだ、"外見"だけは・・・
スラ : どう言うことです、父上。
オロ : 彼女は"隠れの戦士"、シンダールエルフの姿をした精霊だ、化け物だ。
突然に父上の声が険しくなる。
オロ : 何故、世の戦いは終わらない?分かるか、スランドゥイルよ。
スラ : ・・・
問いに答えることの出来ない私を見て、父上は険しい口調で語り出した。