Shangri-la
□X far away・・・
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ジャスミンside
錆びた鉄格子の向こうには、怒りに満ちていて、そしてどこか悲しそうで、そんな目で私を見つめるスランドゥイルがいる。
牢屋の中は光はなく、鉄格子の向こう側の逆光のせいでよく見えないけれども、彼の美しい碧の瞳は輝いていて、私を見つめるの。
ジャスミン : そんな事が・・・じゃあ、今増え続けているオークは行方不明のエルフ達の果ての姿だと言うの?
スランドゥイルの形のいい眉がぴくりと上がる。
スラ : 其方はよく知っているのでは・・・?
ジャスミン : ・・・っ?!何で、私は本当に何もしてない!!
ずしりと胸が軋んだ。
本当に信じていた人が愛している人が私を疑っている、軽蔑している。
嘘をついていた私が悪い、
曖昧な言葉を並べてごたかしていた、自分自身を良く知らない、私が悪い。
だけれど、彼もそれに気づいていて
"戦が終わるまで待っていて"
と言う約束に頷いて・・・
私を信じていてくれていたと思ってたのに・・・
スラ : 戦うことが全てだと言う其方は、世が平和になったら不都合なのでは?
"其方"と言う言葉に、彼と私の距離は隔たれてしまっている感じがして、何も言えない私は涙を流すことしか出来なかった。