木馬

□イーリアスの木馬
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朝だ。
朝日が顔にかかり自然と目が覚めた。

「おはようございます!」

携帯からそんな声がする。
「あぁ、おはようキーボ…」

携帯に映るのは人型のロボットの形をしたキャラクター。
彼が携帯に現れたのは数日前に遡る。

「あっ!」

新学期から数ヶ月、一人暮らしにも、大学にも慣れたある日の帰り道。
ふと、手が滑り、携帯を落としてしまったのだ。
そう、何も変わったことはない。ただ、携帯を道に落としてしまっただけ
暗くなってきていたこともあり、すぐに拾い上げて私は家へと帰宅した。

家に帰った私は画面を見てスイッチを入れてもつかない携帯に
充電が切れてしまったのだと少しがっかりしながらコードを刺した。
少しうとうとしてそのまま意識が遠のいた。


どれくらい経ったのだろう…
目を覚まして時計を見れば最後に見た時計の針から30分の時が進んでいた。
帰宅した時の服のままベットで寝ていて、いけないと思いながら携帯に手を伸ばした。

「え…なにこれ」
そこに写っていたのは見慣れた待ち受けに正座で座るロボットのような見慣れないキャラクター?の姿だった。
「こっこんにちは…」
それが彼の発した最初の言葉だった。

はて…
私はこんなアプリを作った覚えがないし、インストールした覚えもない。
困り顔の私に彼は言った。
「僕はキーボといいます。ここは…一体どこなのでしょう…?」
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