短編
□ほら、その笑顔も偽物でしょう
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君は笑う
それしかできないの?
そう言うと、君は困った顔をした
いつもと同じ
白塗りの顔は貼りつけた笑顔を見せて私に愛を吐く
無視をして横を向けば、私の視界に入り込んできてまた愛を吐く
声なんて出ないくせに口を、手を動かして愛を吐く
「嫌い」
そういうと、君は悲しい顔をして泣き出した
それでも君は私に愛を吐き続ける
あぁ
もう君の顔が見えなくなってきた
「マイム…好き」
私が最後にそういうと、君は笑う
笑う
ほら、その笑顔も偽物でしょう
そして私は静かに目を閉じた
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