短編

□脆弱
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どうしてこうなったんだ
思い出せ
どうして俺は
俺は
俺の手は

赤く染まってるんだ

「エル…?」

「…ぁ…あぁ…ぁ」

呻き声の様な声だけが俺の耳に届く
そんな声が聞きたいんじゃないんだ
俺は君の
キミの
あの鈴の様な声が聞きたいだけなんだ

「エル…好き。好き、好きなんだ…大好き」

なのに何で…
いつもこうなるんだい?
どうしていつももう少しの所でこう
こうなってしまうんだい?
俺達は体がモロすぎるんじゃないかって
そう思うんだ

だってそうだろう?
こんな簡単に死んでしまうなんて

「ラン…ピー…」

俺の名前を呼んだキミは凄く可愛くて可愛くて
壊してしまいたいくらいかわいくて
あぁ…やっぱり大好きだ







「また、明日…」

そう呟いて彼は事切れた

ねぇランピー…?
どうしてこうなってしまうの?
どうして…


脆弱



いつも彼方は死ぬの?

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