海南編

□英和辞典
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その後、すぐ先生が来た。

先生「遅れてすまない。
始めます」

授業が始まってからもあたしは
清田信長のことを考えていた。

クラスはどこだったか。
その前に、次の時間は英語だ。
英和辞典を忘れる人が
ちゃんとここまで返しにくるだろうか。
借りたことさえも忘れるのではないか。

そんなことを考えているうちに
授業が終わり千尋が来た。

千尋「茉由って強いよねww」

茉由「え?」

千尋「先生に当てられてんのに超ガン無視wめっちゃウケたwww」

え、うそ。
当てられてるのに気付かないくらい考えてたの?
やばいじゃん…

休み時間は10分間。
あと2分で英語の授業が始まる。

あたしは痺れを切らせた。

茉由「ねぇ、清田信長って何組?」

千尋「え?んーと、
隣のクラスじゃなかった?」

茉由「ありがと」

あたしは急いで隣のクラスに向かった。
と言っても隣のクラスはあたしの席から5歩だ。

教室のドアを開けるとドアの一番近くの席に清田信長が。

清田「あ、返すの忘れてた!」

やっぱり((汗

清田「ありがとな」

茉由「いいえ」

清田「ていうか、俺らクラスは違うけど距離は近いよなw」

たしかにそうだ。
あたしは廊下側の一番後ろの席。
清田信長は隣のクラスで、廊下側の一番前の席。

間の壁がなければ前後のような位置関係。
授業中は同じクラスの千尋よりずっと近い。


キーンコーンカーンコーン…

茉由「あ…」

清田「じゃあまたな!
また忘れ物した時はよろしく!」

そう言って清田信長は自分の席についた。
あたしも自分の教室に戻り
普通通り授業を受けようとした。

が。
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