龍桜鬼伝
□第二幕
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綱道さんちを出て数日。
私は私の大好きな桔梗の花がたくさん咲いている丘の上に座っていた。
「....どーしよっかなー....」
正直な所行くあてがない。
いや、あるけど遠いんだよな〜
「はぁ....」
私は思わず溜め息をついてしまった。
....行くとすれば京にある別荘。
そこには妹の美羽がいる。だが....
「子供の足ではキツイ....かな?」
私は血の滲んでいる足をなでた。流石に鬼といえど辛い。
私がぼーっとしていると、こっちに向かってくる人の気配がした。
「誰っ!?」
「うわっ!?」
私は条件反射で小太刀を抜いて刃先を相手に向けた。(太刀じゃ重いからね〜)
そこには私と同い年くらいの翡翠の瞳をした茶髪の男の子がいた。
「あ、ごめんなさい....」
「ホントだよ....って!足!血が滲んでるじゃん!手当してあげるから家に来なよ!」
男の子はそう言って私に背を向けてしゃがんだ。
私がためらっていると、彼は「早くのりなよ」と言ってきたので渋々乗せてもらった。
「あの....なんで手当てしてくれるんですか?」
私が聞くと彼は
「ん〜なんでだろ。」
と、答えたので私は分かんないのか....と心の中で突っ込んでいた。
暫く歩いていると道場らしき建物が見えてきた。
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