深い夢の中へ

□無鉄砲な麦わら少年
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剣士に連れられ、看板に出された。
そこには他の船員達も集まっていた。
海賊旗と同じ麦わら帽子を被った無邪気そうな少年。
スタイルがいいオレンジ髪の少女。
同じくスタイルがいい魅力的な黒髪の女性。
鼻の長い少年。
カナの姿を見てメロメロになっている金髪青年。
小さくて愛くるしい顔をしたトナカイ。
ちょっとごつい水色髪の男。
そして長身のアフロガイコツ。
「なんで海賊船に忍び込んだのよあんた」
オレンジ髪の少女がカナを問い詰めるがカナは簡単には白状しなかった。
「そんなこと、言えるわけないだろ!」
「おおーっ!何という強気な態度、僕のハートを射抜く精神!ナミさんもロビンちゃんも素敵だか貴方も素敵だー!」
金髪青年は目をハートにしてカナをアプローチしてきた。
「うっとおしい!あんた!」
「はい・・・すみません・・・」
冷たい発言に金髪青年は落ち込んだ。
「あのすみません・・・パンツ見せてもらってもよろしいでしょうか?」
アフロガイコツがカナにパンツを見せてと頼むとオレンジ髪の少女がアフロガイコツを強く小突いた。
「やめんかセクハラガイコツ!!!」
「この変態が!誰が好き好んで見せるかってんだ!!!」
カナもアフロガイコツの顔面を強く蹴り上げた。
「ヨホホホ、手厳しいー」
アフロガイコツは痛みで泣きながら笑って誤魔化した。
(なんでガイコツが普通に動いてしゃべっているんだ、第一ガイコツがアフロとは・・・ガイコツだけじゃなく下は海パン一丁だけの奴もいるし、動くぬいぐるみはいるし、鼻の長い奴もいるし・・・一体この海賊船、なんなんだよ)
カナは船員たちをぐるっと見通した。

アフロガイコツを除けば後の者は数週間前の新聞で見たことある顔立ちばかりだ。

新聞では三面記事になりエニエスロビーでの事件・・・

記憶をたどってみると漸く彼らの正体が分かった。

「あぁあっー!!!あんた達!もしかして麦わらの一味!!!」
カナがこう答えると麦わら少年は「ああっそうだ」と答えた。
「船員全員で6億近い賞金首揃い・・・世界政府に喧嘩を売ったと言われる極悪海賊・・・」
カナは怖がるところが興奮していた。

麦わらのルフィ
海賊狩りのゾロ
泥棒猫のナミ
狙撃の王そげキング
黒足のサンジ
わたあめ大好きチョッパー
悪魔の子ニコ・ロビン
改造人間フランキー

この名前と顔をはっきりと思い出したカナは目的を忘れ戦いモードに入っていた。

強者を見ると戦いのアドレナリンを掻き出し、血液を沸騰させる。

麦わらの一味を全員倒せば食料が手に入る処がこれからの奴隷解放の戦いもぐっと楽に進む。

さっきは油断したが今度は油断はしない!

カナはそう決断し再びピアスを取って剣に変えようとしたが腕から手が生えてきて手首を押さえてきた。
「!?」
自分のとは違う手・・・
「攻撃してこようと思っているらしいけど・・・甘いわね」
ロビンが腕を組んでカナを見つめていた。
この腕はロビンのものだ。
カナの動きを封じたのだ。
「ぐっ・・・貴方も、能力者みたいね」
「ええっ、ハナハナの実よ、『貴方も』ということはもしかして・・・」
「僕も能力者だ、ソドソドの実のね」
ソドソドの実は細長くて先の尖ったものなら剣に変換することが出来る能力のこと。
細長くて先の尖ったピアスを常につけているのもいつでも戦えるためだ。
「へぇー、お前の能力見てみてぇーな」
ルフィがわくわくしながらカナを見上げた。
(こいつが船長だな・・・本当に麦わらのルフィか?性格が小さい子供みたいじゃないか、でもこの油断が命取りなんだよ、能力を見せると言って見せて、その隙に命を奪えば・・・)
カナは能力を見せた瞬間にルフィの首を取ればいいと判断し、ルフィの頼みを承知した。
ピアスを外すと剣に変わった。
「「「おおおー!!!すっげぇえー!!!」」」
ルフィだけでなくウソップとチョッパーも目を輝かせて剣を見ていた。
「この命貰った!!!麦わら!!!」
カナの剣がルフィに目かげて振り下ろされようとしたが・・・
「やめんかい!!!」
ナミがカナを少し強めに小突いた。
「痛い・・・」
戦いもしないうちに拳骨だけで敗北してしまった・・・
このような敗北を味わったのは初めてだ。
剣は芝生に落ち、ただのピアスに戻った。
「いたたた・・・」
「一つ忠告しておく、ナミをこれ以上怒らせないほうがいいぞ」
ウソップがカナにそっと告げた。
カナもナミの拳骨が効いたのかそうだなと頷き、両手を軽く挙げた。
「参った・・・このような敗北は初めてだよ、忍び込んだことを話すからこれ以上は勘弁してくれない?」
「本当のことを話せば解放してあげるから」
ナミの言葉にカナは頷き話そうとしたがルフィの腹の音が大きく響いた。
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