『オオカミとリス』

□007.呼出
1ページ/2ページ



ソファに横になったまま、いつの間にか寝ていたらしい。

携帯の鳴る音に目を覚まし画面を覗くと、翔さんからの着信だった。


『もしもし、ニノ?…寝てた?』

「…あ…ちょっとだけ…」

『なぁ、飯食った?』

「いや…まだです」

『今近くで呑んでるからさ、顔出さね?』


翔さんからの電話を切り、出かける支度をする。

普段なら外に出るのが面倒だから断るのだが、明日は休みだし、家の近くの居酒屋だから行くことにした。


どうせ家に居ても、答えの出ない悩みに悶々とするだけだし。


暖簾をくぐり、案内された個室へ入ると、思いがけない人が翔さんと座っていた。


「大野…さん?」


クタクタに酔ってる翔さんの横で、大野さんは少し困った顔でふわっと笑って手を挙げた。




次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ