『オオカミとリス』
□008.自滅
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「あ、こっちの部屋で…っと、もう寝かせちゃって下さいっ」
結局、クタクタになった翔さんは到底一人では帰れそうになかったので、俺の家に連れて行くことにした。
明日は休みだし、このままベッドに寝かせておこう。
大野さんと俺に担がれていた翔さんは、ベッドの上で大の字になっていた。
「…困ったもんですね。大して飲めないのに」
「ふはっ だな。」
顔を見合わせ苦笑した。
「…っと、じゃ俺はこれで」
「え?帰るんですか?」
無意識のうちに引き留めていた自分に…ビックリした。
「あ…えっと…」
俺、避けてたんじゃなかったっけ?
自分で言ってしまったことで収集がつかなくなっている俺を見て、大野さんはまた眉尻を下げてふわっと笑った。
「じゃあ、お邪魔していい?」
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