『オオカミとリス』

□008.自滅
1ページ/2ページ



「あ、こっちの部屋で…っと、もう寝かせちゃって下さいっ」


結局、クタクタになった翔さんは到底一人では帰れそうになかったので、俺の家に連れて行くことにした。

明日は休みだし、このままベッドに寝かせておこう。

大野さんと俺に担がれていた翔さんは、ベッドの上で大の字になっていた。


「…困ったもんですね。大して飲めないのに」

「ふはっ だな。」


顔を見合わせ苦笑した。





「…っと、じゃ俺はこれで」

「え?帰るんですか?」



無意識のうちに引き留めていた自分に…ビックリした。


「あ…えっと…」


俺、避けてたんじゃなかったっけ?


自分で言ってしまったことで収集がつかなくなっている俺を見て、大野さんはまた眉尻を下げてふわっと笑った。



「じゃあ、お邪魔していい?」




次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ