『オオカミとリス』

□011.着信
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大野さんは残り少ないビールを一気に飲み干すと、「翔ちゃん頼むね」と言って帰っていった。

俺はもう何も考えられなくて、とっとと寝てしまおうとソファに横になったけど、やっぱり寝付けなくて。

ようやく眠りについた頃には、空も少し明るくなり始めていた。


昼過ぎまでソファで丸くなっていると、寝室から蒼ざめた顔の翔さんが、申し訳なさそう出てきた。

「あ…起きました?」

「ゴメン…ニノ呼んでから…全然記憶ない…」

でしょうね。あんなにクタクタだったもん。

「智くんは…帰ったの?」

「あ…はい。翔さん寝かせて帰りました」

…間違ってないよね?

二日酔いだろうダルそうな体を無理矢理動かし、翔さんは何度も謝りながら帰って行った。




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