『オオカミとリス』

□008.自滅
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冷蔵庫に入っているビールと、つまみになりそうなものを幾つか取り出し、用意する。


「ビールしかないんですけど、いいですか?」

「あ、なんでもいいよ」


ローテーブルに並べ、俺は大野さんの座るソファの、向かいのラグに座った。

軽く乾杯をして、ビールを飲む。

お店でも結構飲んでたはずだけど、大野さんは顔色も変わらず、勢いよくビールを飲んでいく。

酒、強いのかな?




ゴクゴクとビールが流し込まれ、上下に動く大野さんの喉仏が、下から見上げると…色っぽい。

缶を握る手も…手から伸びる腕筋も…やっぱりキレイで…

あ、こんなこと考えちゃうなんて、相当俺も酔ってるな…


余計な事を考えるのはやめようと決めたばかりなのに、自滅して耳が熱くなった。




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