『オオカミとリス』
□009.交換
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ユラユラと泳がせていたライターを持つ俺の手を、急に引かれる。
突然のことに驚いて顔を上げると、ローテーブルに手を付き、俺の唇に大野さんが噛みついてきた。
「ッ…ンッ」
俺を掴んでいた手が徐々に後頭部へとまわり込み、荒々しく唇を塞がれる。
上手く息ができず、酸素不足とアルコールのせいで、頭の奥がジンジンと痺れていく。
「ンッ…ッ…んぁッ」
絡めとられた舌を強く吸われ、快楽の波が否応にも俺を襲う。
あ…ダメだ…
強張った身体から急に力が抜け、もうただなされるがまま…大野さんを受け入れてしまう。
口内をなぶり、散々掻き回して、ようやくその唇は離れていった。
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