11/23の日記

22:23
いい兄さんの日なので小ネタ
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※リアトスくんとグラシスくんのお話


「兄上。」

グラシスは、兄であるリアトスの自室にやってきた。
日当たりの良いその部屋は兄と同じ程に明るく暖かさを持っていた。

「んー?何か用かな?」

机に向かい何やら紙の束に目を通していた彼は、体ごとこちらを向け笑顔を見せた。
第一王子である以上、次期国王候補である以上このような政務の事も熟さなければならない。
それを思うとリアトスは、無理をしてるのではないかと思った。

「…。」

グラシスは、無言で彼の机に近付き机の上に乗っている書類を全て近くの空き箱に入れた。

「ちょ、何してるの!?」

慌てて取り返そうとするリアトスを制した。

「兄上、今日は休んでてくれ。」

それから外に控えさせていた従者にそれらを全て自分の部屋に持っていかせた。
それを口を開けたままポカンと眺めていたリアトスだが、ようやく我に帰ったのか

「え?え!?なんで?今日なんかあった!?」

と混乱して言った。
その様子を少しだけニヤニヤと見ていたグラシスは、

「今日はいい兄さんの日だ。だから、いつも頑張ってる兄上には休んで貰おうと思っている。」

と言った。

「えー…?取り敢えずぅ…僕はお休みの日…?」

今絶賛大混乱中であろう兄にそう尋ねられると弟は、コクンと頷いた。
それを見たリアトスは、はぁ…と溜め息をつき吹っ切れた様に顔をあげて

「じゃあ、お休みするから遊び相手が欲しいな!なってくれるよね?グラシス!」

キラキラと輝くような笑顔でそう言った。

「もちろん。この日のために俺は新しいボードゲームを取り寄せてきたからな。」





こうしてこの日は
リアトスは有意義な休日をとったのだった。

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