《 Up.to.you 》【ココロ・軌跡】

□加速する鼓動。
1ページ/5ページ

そして、一週間が立とうとしたある日・・・・。

仕事が休みな事もあり、二人を残して買い物をしているとお皿が目に入った。

相変わらずあり合わせの食器で夕飯を済ませている事を考えれば 財布の中を覗く。

『よしっ!!女は度胸!買う。』


私は《シンプル イズ ベスト》と言うことで、真っ白なお皿を三枚買い、店を出た。

何だか嬉しくなるような戦利品の三枚のお皿・・・・。

ちょっとだけ反応が見て見たかったりもする自分・・・・。

でも・・・・二人の為に買ったなどとは 恥ずかしくて言えない事を考えれば私は『この皿は来客用。』と 言い聞かせていた。

お皿を買った後は、スーパーに寄り パスタを買った。

喧嘩になるのは避けて同じ焼きプリンも三つ買い、オマケに沢庵も付け足してみる。

パスタ好きな私にはいいのだが、二人は何故かやたらとパスタを推してくる。

親子は似てしまうのだろうか・・・・

だが気にはしてみても、二人はパスタが好きなのだ。《気にしたら負け》な事を思えば買い物を済ませて、自宅に帰った。


『ただいま〜』

何だかんだでこんな生活も慣れて来た頃だった。

出逢いも突然ならば 別れも突然なわけで・・・・

二人は何やら目を細めてこちらを見ている姿に、自然と今日が彼等と過ごす最後の日なのだと感じた。

袋を持ったまま二人の顔を見れば、彼等の《ココロ》が見えた気がした。


そんな空気を斬るように私は買った食器を洗うとパスタを茹で、真新しい三枚の皿によそった。


土「 皿・・・・買ったのか?」


『あ、うん。ほ、ほら、来客が来たら困るし?』


沖田はそんな私の言葉を聞いても、何も言わなかった。


『さっ!食べましょう。焼きプリンも買って来たから。』

これが三人で食べた最後の夕飯だった。


夕飯を済ませれば突然土方さんが席を立った。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ