赤ブン
□I like you
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「丸井先輩って好きな人っているんすか?」
俺はその言葉に驚きシャーペンを落とす。すぐに拾い口を開く。
「き、急に何だよ!?」
「いえ、気になっただけです。」
二人の机の間には書きかけの数学と英語のドリルが広がっている。夏休みも後半に近づいてきたこの季節。俺は暑くもないのに顔が赤く染まる。
「そりゃぁ、好きな人一人はいるに決まってるだろぃ...。」
「へぇ、いるんすか。」
「そういう赤也は?」
「いるっすよ」
その言葉は一瞬だった。でも俺には酷く長く感じた。
「へ、へぇ。...いるんだ。」
「丸井先輩は告白とか..しないんすか?」
俺は赤也の目を見る。綺麗な緑色の目。
「...しねぇよぃ。失恋確定だし...。」
「そうなんすか。じゃあ俺にもチャンスはあるんすね。」
「...え?」
赤也は顔を少し赤らめて言った
(その言葉を聞きたくて)