夢の先
□3.高校
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新しい事、新しい人、新しい場所へ行く時は、期待と不安が入り混じって何だか新鮮な気分になる。
今日から高校生。
新品の制服が体に慣れてくる頃には何人友達が出来るかな。
それぞれが色々な思いを寄せて、学校の校門をくぐる。
あまり方向感覚が優れていない私は、新入生達であろう人の流れに乗って1年生の昇降口へと辿り着いた。
去年から伸ばし始めた髪の毛もある程度の長さまで伸びた。
小学校の低学年からずっと髪が短くて、長く伸ばすことに憧れていた。
達成感に満ちながら、それでもまだ不安はある。
制服の着方は合っているだろうか。どこか変な所は無いだろうか。何回も何回もおばさんとおじさんに大丈夫?って聞いて来たけれど、2人とも気にし過ぎだって言うし。
昇降口からすぐのところにクラス分け表があった。
1−Aってどっちだ?
私はとにかく人の波に乗って階段を上った。
学校は4階建てだった。
その上、1〜3年生と学年が上がるごとに階が下がっていくという方針の学校だったので、少々運動不足の私には4階まで上がった頃には足が疲れきっていた。
これから毎日ここを上り下りしなくてはならないのかと考えると、少なからず眉間にシワが寄る。
1−Aは階段を上がって一番手前の教室だった。
これだけは救いだな。
教室の扉には座席表が貼ってあった。ちょうどど真ん中の席だ。
教室に並べている40の机には、1つ1つにきちんと名前の書いてあるプレートが置いてある。
何て事ない普通の入学式を終えると、またクラスに戻った。
別に感想と言う感想もないけれど、入試試験のテストの点数が1位で新入生代表務めている男の子を見ていると、常に定期テストで順位が1位だったリサを思い出した。