Lion
□2.能力の差
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話がそれた。元に戻そう。
先生は問題の説明をしているけれど、そこもすでに終わっているから聞いてなくてもいいだろう。
私はもう一度頬杖をついて、なんの気なしに校庭を見た。
知っている人はいないが、校庭では男子がサッカーをしていた。
するとその中に、見覚えがある男子が1人。
視線の先、走り出した彼の事はずっと目をつけていた。
人獣族の彼。
走り抜ける速さは誰よりも速い。
そりゃそうだろう。覇気が漏れ漏れだ。
チャンスだと思い、意識を彼に集中させる。
私からも少し覇気が出てしまうが、微量ならサッカーを全力でお楽しみ中の彼には気付かれないだろう。
目に覇気を集め、彼の“姿”を暴く。
うっすらと見えた影には、翼があった。
鳥か。
集中を高めると、よりくっきりと姿が見える。
完全に姿が見えた時、彼は、小鳥だった。
それにしても綺麗な色してるな。
名前は分からないけれど、やたらと綺麗な青。
片手で足りるほどのサイズに、叩きつけられるように鮮やかな青。
青。青。青。それが一番印象的だった。